熊本市西区にある慈恵病院の『こうのとりのゆりかご』が、運用開始から5月10日で18年を迎え、開設初日に『ゆりかご』を通して出会った2人が、命や家族をテーマに講演を行いました。
親が育てられない赤ちゃんを匿名でも預かる、慈恵病院の『こうのとりのゆりかご』は2007年の5月10日に運用が始まりました。
熊本市の愛保育園で、保護者を対象に開かれた講演会には、『ゆりかご』開設に携わった当時の看護部長・田尻由貴子さん。そして開設初日に『ゆりかご』に預け入れられ、現在、大学生に成長した宮津航一さんの2人が登壇し、命や家族について語った。
【宮津航一さん】
「なぜ生い立ちを公表しようと思ったか。『ゆりかご』への感謝の思いを伝えたい。『ゆりかご』にはいろんな意見がある。賛否両論ある。しかし『ゆりかご』があったおかげで命が救われて、私は今この場に立っている」
集まった保護者たちは2人の話に聞き入っていました。
【講演会参加者】
「(ゆりかごに)預けた家族を思うと涙が出てくる。(社会)全体で支えていかないといけない問題と思った」
【田尻由貴子さん】
「彼がこういう告白をしてくれたことで『ゆりかご』が認められたように感じている」
【宮津航一さん】
「伝え続ける、声を届け続けることをモットーに、信念をもってこれからも発信をしていきたいと思っている」