山形には、日本酒・ワインのほかに、リンゴのお酒を造っている醸造所があることをご存じだろうか? 5月1日、国内初のJAS認証を受けた「有機シードル」が新庄市に誕生した。一子相伝の伝承野菜の栽培にならったこだわりの製法で、リンゴ自体の力を引き出した爽やかな味わいに仕上がり、多くの注文が寄せられている。

祖父の夢を「有機シードル」として実現
甘い香りに包まれた新庄市のワイナリー。
発売と同時に注文が舞い込み、出荷作業が急ピッチで行われていた。

亡くなったおじいちゃんの夢だった「リンゴ酒(シードル)」のお味は…。

出来立てを試飲したリンゴリらっぱ醸造所代表・佐藤春樹さんは、「おいしい。しっかりリンゴの味が出ているし、酸味もある。おいしいと思うこれは、大成功」と話す。

「植物の生命力を活かす農業」をリンゴ栽培でも
佐藤さんは、実は一子相伝の伝承野菜・甚五右ヱ門芋(じんごえもんいも)の継承者。

8年前、リンゴ園を営んでいた母方の祖父が亡くなったのを契機に農園を継ぎ、祖父の夢でもあったリンゴ酒造りを始めた。

2024年までは宮城のワイナリーに醸造を委託していたが、「自らの手で造りたい」と一念発起。
2024年12月に醸造免許を取得し、祖父の家を改築して自前のワイナリーを整備して、国内初の「JAS認証・有機シードル」づくりに没頭してきた。

リンゴリらっぱ醸造所代表・佐藤春樹さんは、「農薬を使って守るようなことはしないで、“リンゴ自体の力”を引き出してJAS有機認証を取得したシードルを販売していく」と語ってくれた。

甚五右ヱ門芋から学んだ植物の生命力を活かす農業。
佐藤さんはそれをリンゴ栽培でも実践し、JAS認証有機シードルとして結実させた。
商品名は「未熟なダブルス」。

初回はネットで50本限定販売
リンゴリらっぱ醸造所代表・佐藤春樹さん:
「未熟果」を使っているということと「生食用」のリンゴと2つを合わせて作ったので、「ダブルス」。
すごくドライに出来上がっているので、食前だけでなく食中酒としてもすごくおいしく飲めると思うので、買ってもらえるとうれしい。

新庄産有機シードル「未熟なダブルス」、初回はネットで50本限定販売。
いずれは醸造所に試飲できるスペースを作り、店頭販売も行う予定だという。

(さくらんぼテレビ)