常岡さんは「脳の病気である以上、ちょっとしたきっかけで再発する可能性はあります」としつつ、努力次第で予防はできると話す。

「再発を刺激するようなきっかけ、場所を避けることは可能です。例えば、競艇場、パチンコ店に足を運ばないといった行動はとれるはずです。それでも再発した場合は隠さず、自助グループの仲間に助けを求めたりするなど、対処をとっていただきたいです」(常岡さん)
向き合えば人生は好転できる
最後に「ギャンブル依存症は治る。患っても向き合えば、人生は好転できる」と2人は語る。

「一人で抱え込まないでほしいです。ギャンブル依存症と診断されても、ダメな人生だと思わないでください。生き方を変えるチャンスが到来したといっても過言ではないでしょう。『自覚はないけれど、ギャンブル依存症かどうか知りたい』気持ちで構いません。まずは一度、最寄りの自助グループや病院を訪ねてみてください」(常岡さん)
「ギャンブル依存症だと認めて自助グループや病院に行くのは勇気がいると思います。家族がいるのであれば頼ってください。家族もすぐに動いてください。私は過去にギャンブル依存症でしたが、そのおかげで仲間にも巡り合い、治療を通して生きる上で大切なことを教わりました。あきらめずに回復を目指して、頑張っていただきたいです」(田中さん)
ギャンブル依存症は誰でもなり得るが、誰でも治る。まずはこの記事を通して、一人ひとりが認識をアップデートしてもらえるとうれしい。
取材・文=内山直弥