回復までの流れを聞いてみると、まずは診察や「LOST」をもとに、医師が依存症かどうかを判断するそう。
「ここで大切なのは、依存症と診断されてもネガティブな感情を抱かないことです。適切な治療を行えば回復できますし、むしろ生きやすくなるとお伝えしたいです」(常岡さん)
基本的な治療は、依存症者がそれぞれの体験を語り合い、支え合う「自助活動」や、「自助グループ」への参加などによって進められる。

また、物事の受け取り方や考え方を見直す「認知行動療法」も取り入れられる。ギャンブル依存症の場合、ギャンブルしたい“衝動”をうまく我慢する方法を模索するという。

「私たちの病院では、自助グループに通う人に魅力を話してもらい、その場でどこに行くか(どの自助グループに参加するか)を決めてもらいます。回復まで共に歩んでもらえる仲間を見つけてもらうことが大切なのです。依存症者の家族を(ギャンブル依存症の)家族会につなげてもいますね」(常岡さん)
治療すれば回復できる病気
自身もギャンブルに依存した経歴を持つ田中さんは、自助グループの「ミーティング」(不安や心配事を語り合う場)や「12ステップ」(依存からの回復を12段階で進めるプログラム)によって、ギャンブルをやめられたという。

「ミーティングは通うたびにネガティブな感情が払拭され、それでもぬぐい切れない感情は、仲間からアドバイスをもらい解決策を見出していました」
「12ステップは、自分がギャンブル依存症という病気なんだと認めることから始まります。それから自分の人生と抱えていたものを可視化させて、支援者と一緒に振り返り、生き方を変えていくんです」
ここで、ギャンブル依存症に再発のリスクはあるのかという疑問が浮かぶ。