シリーズでお伝えしている「はじめよう防災プラス」。
5月2日は、「観光」とコラボして防災の意識を高める「防災ツーリズム」の取り組みをお伝えします。
埼玉・春日部市にある洪水を防ぐための施設、「首都圏外郭放水路」。
そのスケール感から「地下神殿」の異名も。
7年前から見学ツアーが行われ、今ではこの防災施設が人気の観光スポットに。
台風や豪雨で河川の水位が一定の高さを超えると、地下に5つある「立杭(たてこう)」と呼ばれる放水路に流れ込みます。
たまった水は、先ほどの「地下神殿」を通って江戸川へ。
これが洪水被害を未然に防ぐ仕組みとなっています。
東京都心でも大きな被害となった6年前の台風19号。
この時は「地下神殿」にも水が流れ込み江戸川へ排水したことで、河川の氾濫を防ぎました。
その防災施設を見学する人気のツアー。
4月から新たに追加されたのが「第3立坑」です。
このツアーは、台風などの影響が予想される6月から10月を除き、毎月1回開催され、参加費用は1人、1万5000円。
5月分はすでに完売しています。
参加者:
楽しかったです。こういうところで守られていると分かるので勉強になるし、知ろうという気持ちになれた。
東武トップツアーズ・防災コンシェルジュ・松田麻美さん:
災害を自分事化として捉えていただいて、さらに見学会を通して楽しく防災について学んでいただけたら。
この「防災ツーリズム」、全国的な広がりを見せています。
2024年12月、都内の人材派遣会社が、「防災」と「観光」を組み合わせた「防災観光地」を紹介するサイトを新たに立ち上げました。
その中でも人気なのは南海トラフ地震などの備えとして建設された、高知・黒潮町や静岡・磐田市の津波避難タワー。
景色が売りの展望台としての側面も。
防災ツーリズムに詳しい高松正人さんは、「単に人を集める観光地じゃなくて、来ていただいて、防災に対する関心を高めていただくところが一番大きな役割。日本ならではの貴重な観光資源になっていくんじゃないかな」と話しました。
“楽しむ”から始まる、“知る防災”。
観光を通じて、防災への理解を深めましょう。