山形・山形市と天童市を流れる立谷川で、いまシバザクラが見ごろを迎えている。河川敷では、ピンク色のじゅうたんが広がったような光景を楽むことができるが、実はいまある問題が起きている。

4月は、シバザクラとサクラなど春の花とのコラボレーションが楽しめる
4月は、シバザクラとサクラなど春の花とのコラボレーションが楽しめる
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満開のシバザクラがピンク色のじゅうたんのよう

立谷川の河川敷では、4月下旬のいまシバザクラが満開を迎えている。
まるでピンク色のじゅうたんが広がるようなその景色は、ゴールデンウイーク中まで楽しむことができる。

シバザクラが河川敷に咲き始めると辺りを華やかにする
シバザクラが河川敷に咲き始めると辺りを華やかにする

ドライブを楽しんでいたというご夫婦は、「道路を走っていたら、あまりにきれいだったので河原に降りてきた。川のせせらぎを聞きながら眺めていると、日ごろのいろんなことがパッと飛んで、心がスカッとする」と。

また、ボランティアで河川敷の草取りに参加したことがあるという人は、「もっとみなさんに足を運んでもらって、草を少しでも取っていただいてボランティアさんの努力が実るように、シバザクラでいっぱいになってほしい」と話してくれた。

立谷川のシバザクラは6万人の人が訪れる隠れた名所に
立谷川のシバザクラは6万人の人が訪れる隠れた名所に

訪れていた人:
彼女から教えてもらって来た。きれいですね、すごく色鮮やかで、じゅうたんみたいな感じできれいですよね。

訪れた人に癒しの時間を提供してくれる
訪れた人に癒しの時間を提供してくれる

たった1人の思いから美しい河川敷に

かつての立谷川は、洗濯機や家具などが散乱し不法投棄に悩まされていた。

それを見かねた天童市荒谷の田所三男さんが、「ゴミをすてられないようなきれいな環境にすればいい!」と、県に申請して約20年前に1人で河川敷を整備したのが始まり。

立谷川の状態を見かねた田所三男さんが、2006年に1人で整備に着手したという
立谷川の状態を見かねた田所三男さんが、2006年に1人で整備に着手したという

のちに市民団体「立谷川の花さかじいさん」を作ってシバザクラを管理したが、田所さんは2013年に亡くなった。

その後、田所さんの意思を受け継いだのが、義理の息子の松田和雄さん。

田所さんの死後、その意思を引継ぎ市民団体の代表をつとめる松田和雄さん
田所さんの死後、その意思を引継ぎ市民団体の代表をつとめる松田和雄さん

松田さんや市民団体のみなさんの尽力により、立谷川には今もシバザクラが咲き誇っている。
しかし、実は新たな問題が…。

この美しい景色のどこに問題があるのか…
この美しい景色のどこに問題があるのか…

新たな問題・シバザクラにも寿命が…

通常は「5年」という寿命を、大きく超えて約15年も咲き続けたシバザクラ。枝がかたくなり、木質化すると咲きが悪くなるのだという。
また、近年の猛暑の影響もあり、シバザクラが以前よりも咲かなくなってしまい「まばら」な状態が散見される。

松田さんたち市民団体は、なんとか元の姿を取り戻そうと、新たな取り組みを始めている。

シバザクラの“寿命”と“猛暑”の影響で以前より咲かなく、まばらになっているという
シバザクラの“寿命”と“猛暑”の影響で以前より咲かなく、まばらになっているという

松田和雄さん:
元に戻るには数年かかると思いますけど、会員のみんなで頑張って植え替えを始めている。見渡すかぎりピンクの光景を、みなさんに見ていただきたいと思っています。

まばらになった箇所を中心に、シバザクラの植え替えを進めている
まばらになった箇所を中心に、シバザクラの植え替えを進めている

松田さんたち市民団体は、現在ボランティアの参加者を募集中だという。

(さくらんぼテレビ)

さくらんぼテレビ
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