菅新政権が発足して1週間。4連休が明けて本格的に政策課題に向き合うことになる。

どのような政策にどう取り組んでいくのか、その行方を探った。

喫緊の課題は経済再生だが…

財務省は、麻生財務相が留任し、歴代3位、戦後では最も長い在任期間を更新中。初閣議後の会見では、新型コロナウイルス感染拡大の影響で大幅に落ち込んだ「経済再生の道筋を確かなものとし、財政再建との両立を図っていかなければならない」と述べた。

喫緊の課題は、経済再生で、今年度の1次補正と2次補正などを合わせ、事業規模230兆円の経済対策を着実に実行する必要がある。ただ、景気の先行きは、不透明で、さらなる財政負担を迫られる可能性も高い。

一方で、今回の新型コロナ対策で今年度予算の歳出は、当初の102.7兆円から過去最大の160.3兆円に膨らんだ。歳入は、税収が63.5兆円で、借金に当たる公債金が90.2兆円に拡大している。また、税収は、下振れする可能性が高く、厳しい財政運営を迫られそうだ。

日本の一般会計歳出は、当初予算ベースでは、社会保障費と国債費を除き、1990年度から、ほとんど比率が変わっていない。高齢化の進展などで、社会保障費は、11.6兆円から35.9兆円と3倍以上に膨らみ、国債費も14.3兆円から23.4兆円に増えた。これにコロナ対策が上乗せされた形になる。

財務省は、経済再生を優先するが、少子高齢化が止まらない中、社会保障費は、改革に取り組んだとしても、増加が避けられない。麻生大臣も安倍内閣が総辞職した臨時閣議後の会見では「歳出(の拡大)だけが継続するのは、危険なことになりかねない」と指摘した。次世代に負担を先送りしないためには、景気回復とデフレ脱却が実現できた段階で、増税論議が必要になる。

金融庁は地域金融機関の再編が課題

金融庁は、菅総理大臣が自民党総裁選中に指摘した地域金融機関の再編問題が課題。地域の人口減少に加え、日銀による異次元の質的・量的緩和が長期化し、地方銀行などの収益は、悪化している。森元長官時代から地銀再編を働きかけてきた金融庁だが、金融機関側の動きは、今のところ鈍い。

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麻生金融担当大臣は、初閣議後の会見で、菅総理から「地銀の再編促進を含めた環境整備を進めるよう」指示を受けたことを明らかにした一方で「合併などは、個々の経営判断。ひとつの選択肢だとは思うが、それが全てとは思っていない」と述べた。ただ、新型コロナの影響で、地方の企業も大きな打撃を受けており、地域金融機関の生き残りをかけた再編は、進みそうだ。

(執筆:フジテレビ経済部 財務省・金融庁担当 松尾寧)