23区最大規模の子育て支援策を実施する足立区が、新たに高校生と大学生への支援を始めた。大井競馬場の分配金が財源になっているという。
足立区は、23区最大規模の子育て支援を打ち出している。
3月には小中学生への支援策を発表し、2026年4月以降、小中学校に入学するすべての児童・生徒を対象に、入学準備金を1人10万円支給するとした。
所得制限はなく、私立・公立は問わないとのことで、2025年12月中旬ごろ、振り込まれる予定だ。
このほか、2025年度から区立学校に在籍する児童生徒を対象に、参考書や学習帳など、補助教材費も年間8000円から1万4000円を上限に実施する。
中学3年生には、修学旅行費を1人あたり7万3520円を上限に補助する。
4月、足立区は新たに高校生・大学生への支援を発表した。
年収目安が4人世帯で500万円の世帯を対象とした所得制限ありの支援で、足立区在住の高校生世代に対して、部費や習い事、合宿やユニフォーム代として、1人あたり5万円を支給する。
また、児童扶養手当受給世帯相当または住民税非課税世帯対象に、大学等受験料を上限5万3000円、模擬試験の費用を上限8000円助成する。
こうした施策は若者の意見を反映させたもので、高校進学以降も途切れずサポートしていくという。
ユニークなのが財源だ。
一部は大井競馬場の分配金だという。
インターネットで馬券が購入できるようになり売り上げが増え、区への分配金が年間約6億円にのぼるといい、この分配金を子育て支援に充当するという。
近藤やよい区長は「国も若者人口が急減する2030年代に入るまでが少子化傾向を反転できるかどうかのラストチャンスと言っている。足立区としても、この10年を正念場としてとらえ、勇気を持って子育て支援の充実に大きく一歩踏み出すことにした」と説明している。