万博開幕に合わせてホテルの開業が相次いだ大阪。需要が高まる中、宿泊料金の高騰が続いている。
一方、ホテル側は課題に頭を悩ませていた。

■空前のホテル開業ラッシュ
今週開幕した大阪・関西万博。10月までの開催期間中に2820万人以上の来場者が見込まれている。
記者リポート:万博開幕でホットな大阪で、今ホテルがどんどん開業しています。
万博を商機と捉え、大阪市内では空前のホテル開業ラッシュ!
大阪・梅田にあるグラングリーン大阪南館には2つの高級ホテルが。そしてすぐ近くには大阪駅直結のホテルも。また、大阪城近くにはヒルトン系のホテル。
この1年間で、大阪・キタエリアだけでもこれだけの数が開業した。

■大阪の街を眺めながら優雅な時間を 「万博効果実感している」とホテル支配人
取材班がまず訪れたのは、3月開業した「ホテル阪急グランレスパイア大阪」。
部屋をのぞくと…。
記者リポート:開放感があって、色身も落ち着いていて、とても居心地のいい空間ですね。
部屋の料金は、1泊18万7000円ほど。少し値ははりますが、このホテルの魅力が…。
記者リポート:この大きな窓から見える、美しい夜景です。
大阪の街を眺めながら優雅な時を過ごせそうだ。
ホテル阪急グランレスパイア大阪 坂下大介管理支配人:4月に入りますと国内中心だったのが、一転して海外のお客様が中心。万博開幕に対する効果は、日々実感させていただいているところです。

■ヒルトンブランドの最高級ホテル スイートルームは一泊130万円超え!?
続いて訪れたのは、今月開業したばかり、ヒルトンブランドの最高級ホテル「ウォルドーフ・アストリア大阪」。
記者リポート:みてください、このラウンジ。関西に住んでいても、なかなか見ることが出来ない景色です。
このホテル、一番安い部屋でも1泊14万円以上。
特別に見せてくれたのは…。
記者リポート:スイートルームなんですが、見てくださいこの広さ!インテリアも豪華で、1泊では満喫しきれないぐらいです。憧れます…。
一番、高いスイートルーム。その広さ、なんと193平方メートル。この部屋の価格は公表していないということですが、2カ月先の予約を見てみると、なんと1泊130万円を超えている!※4/17時点

■客室単価も右肩上がり 街の人「前は6000円くらいで今は2万9800円」
コロナ禍以降、全国のビジネスホテルの稼働率は順調に復活し、客室単価も右肩上がりに。
万博開催期間中、大阪府内の宿泊施設の予約数は、前年の同じ時期と比べすでに倍を超えている。
大阪に宿泊:2万こえてたので1泊(Q.1人で?)高かったです。
大阪に宿泊:めっちゃ高いです。前は6000円くらいで泊まれたのが、今は土曜日だとアパ(ホテル)で2万9800円。

■ビジネスホテルの平均価格は1年1.5倍 東京を超える上昇率
万博の開催を機に、空前のホテル開業ラッシュとなっている大阪。需要が高まる一方で、“お値段”もかなり高くなっている。
その影響は高級ホテルだけでなく…。
記者リポート:出張や旅行の味方、ビジネスホテルでも需要が高まっているということなんです。
全国に展開する大手ビジネスホテルを取材すると。
アパホテル&リゾート大阪梅田駅タワー 若宮昌志総支配人:(直近6カ月は)稼働率が95%から100%で毎月推移しております。
(Q.万博期間中は稼ぎ時?)
アパホテル&リゾート大阪梅田駅タワー 若宮昌志総支配人:まあそうですね(笑)。
思わず笑顔もこぼれるほぼ満室状態が続いているが、大阪のアパホテル全体の平均価格は、去年4月に1万円だったのが、今は1万4500円と、およそ1.5倍に!
な、な、なんと!首都“東京を超える”上昇率となっているのだ。

■稼働率高くても問題は「人手不足」 「求人出しても来ない」とホテル支配人
一方、需要が高まる中…“ある問題”で頭を悩ませるホテルも。取材班が訪れたのは午前6時。朝食の準備に追われる従業員の姿が…。
従業員:きのうは奇跡的に夕方に終わって、そこから前泊させてもらって、きょう。一番つらいのは夜ラウンジ入ってから、早朝に出勤があると睡眠不足になりがち。
そう、ホテルを悩ませるのは「人手不足」。
(Q.求人は?)
CABINPRESIDENT大阪 宮下達也総支配人:フロントとレストランのサービス、ホールですね。今までは求人とか採用に苦労したことはあんまりなかった。(募集を)出せば来るってことが、大体だったが、それが本当に今、本当に来ない。
ホテルの開業が相次いだことなどから、人材獲得の競争が激しくなり苦戦しているのだ。
ホテルの部屋の稼働率は平均で80~90%と好調ではあるが…。
(Q.100%まで稼働率持っていきたいが我慢?)
CABINPRESIDENT大阪 宮下達也総支配人:もどかしいところですよね。人がいないから、そこ(100%)までいけない…。

■「万博開催期間中、特に夏休みは込み合う」と旅行アナリストは予想
今後も需要が見込まれる大阪の宿泊施設。この価格高騰はいつまで続くのか?
航空・旅行アナリスト 鳥海高太朗さん:夏休みを中心に万博開催期間中、おそらく7月、8月9月などは混み合うのではないかと予想されています。
この1~2年はシングルが1万円弱くらいで取ることができました。万博が盛り上がれば1万5000円程度に上がってしまう可能性も。平日のビジネスホテルのシングルではあり得るんじゃないかと。
大阪・関西万博に翻ろうされるホテル業界…とはいえ、万博は10月まで続く。関西で宿泊する“穴場”はあるのか。

■穴場な宿泊地は『兵庫県』!
穴場な宿泊地はどこなのかということで、2府4県のアパホテルの平均室単価を比べてみた。(今月14日現在)
最も室単価が低いのは『兵庫県』で、9500円だということだ。
【2府4県のアパホテルの平均室単価】
▼兵庫県 9500円
▼和歌山県 1万1000円
▼滋賀県 1万1000円
▼奈良県 1万1000円
▼大阪府 1万4500円
▼京都府 1万9000円

■「神戸に訪れる外国人観光客は多いものの宿泊をする外国人観光客が比較的多くない」
航空・旅行アナリストの鳥海高太朗さんによると、神戸に訪れる外国人観光客は多いものの、宿泊をする外国人観光客が比較的多くないということで、部屋数も多く狙い目だということだ。
関西テレビ 神崎博報道デスク:京都や大阪と比べると、兵庫には1/10ぐらいしか泊まらないというデータもあるぐらいなんです。今は穴場ですが、実は18日から神戸空港にチャーター便ですが、国際線が就航すると。アジアの5都市とほぼ毎日結ぶようになって、急に外国人が来るかもしれないです。なので兵庫県がお得なのは今だけかもしれません。
(関西テレビ「newsランナー」2025年4月17日放送)
