電力会社は毎年春になると、電柱の上に作られたカラスなどの鳥の巣の撤去に追われます。停電の原因にもなるため見つけた場合は、通報するよう呼びかけています。
長野県小布施町の田畑が広がる場所にある電柱。見上げると、電柱と電線が交わる場所に木の枝がたまっているのがわかります。
その正体は「カラスの巣」です。
(記者リポート)
「電柱の上にカラスのものと思われる巣が作られています。枝が電線に触れていて雨が降ったりすると危険になることもあるといいます」
高所作業車に乗った電力会社の作業員が絶縁体を用いた器具を使い撤去していきます。あることを防ぐための大事な作業です。
2021年3月に松本市街地で発生した停電。復旧まで1時間ほどかかり、最大580戸に影響が出ました。
翌4月には長野県諏訪地域でも約2000戸に影響が出る停電が発生しました。いずれも原因は電柱に作られた「カラスの巣」でした。
カラスは巣作りの際、木の枝だけでなくハンガーなどの金属類も集めることがあります。
そうした巣が送電に関する機器に触れると、漏電が発生。近くの変電所が異常を検知して、停電が起きるということです。
2024年度、県内で発見された電柱上の巣は約3000カ所で、巣が原因となった停電も7回発生したということです。
2月から5月にかけては、カラスの巣作りが盛んな時期で、電力会社は、巣を見つけた場合は通報するよう呼びかけています。
中部電力パワーグリッド・一柳健太郎主任:
「歩いている時に電柱の下に木の枝などがあることがある。そういったものを見つけたら電柱の上を見ていただくとカラスの巣があるかもしれませんので、そのような場所がありましたら通報をお願いします」