アメリカのトランプ大統領が相互関税の上乗せ分を90日間停止すると発表。「相互関税」をめぐり、高知県内企業への影響が懸念されています。県内の状況を取材しました。
アメリカのトランプ大統領が日本に課した相互関税は24%ですが、日本時間の10日未明「措置を90日間停止する」と発表し、現在は10%となっています。
高知市に本社を置く「酔鯨酒造」は、30年ほど前からアメリカへ日本酒の輸出を始め、今では売り上げの10%を占めています。関税で販売価格が上がれば需要が落ち込むのではと懸念を抱いています。
酔鯨酒造 上田正人社長:
「現地の方の購入控え、全部いけば20数%の増額に対してどう受け止められるか。最終的に(販売)量が慢性的に減ってくると由々しき問題になってくる」
2024年、「伝統的酒造り」がユネスコの無形文化遺産に登録され、追い風が吹いていた日本酒の輸出。逆風を受けて上田社長は、地道に日本酒の魅力を伝えていきたいと話します。
酔鯨酒造 上田正人社長:
「現地の人の口に合うように品質を進化させながら(商品の)良さを伝えていくことが1つ。(ユネスコ)文化遺産に登録された効果はこれからだと思うので、文化、風土、品質も含めて価値を感じていただける努力をしていくしかない」
このように関税措置で影響を受ける県内企業の相談窓口が、県内の銀行に設置されました。
四国銀行では9日から全61店舗に設置。商品をアメリカへ輸出している食品卸売業や機械部品製造の企業などの相談を、窓口のほか電話でも受け付けています。
四国銀行 営業統括部 北浦孝則部長代理:
「資金繰り面の見直し、返済方法の見直し等、柔軟な相談を受け付けさせていただこうと思います」
高知銀行や高知信用金庫でも、それぞれ全店舗で相談窓口を設置しています。
一方、県は影響が考えられる50社に聞き取り調査を実施。12社が「影響ある」、11社が「なんらかの影響が今後懸念される」との結果が出ていて、知事は10日の会見で次のように話しました。
浜田知事:
「一方的に追加的に関税を課すというものですから、世界経済に大きな悪い影響を及ぼすものだと大変遺憾に考えております。いまのところ具体的な影響をよく見極めることが肝要」
県は担当課で情報収集や対策の検討を行っていくとしています。