週末から来週にかけては、春の嵐“メイストーム”の可能性があり、気象情報に注意が必要だ。

都内では葉桜が目立つようになり、ケヤキやイチョウなど木々の芽吹きの勢いを感じられる。もえぎ色の柔らかい葉はこの時期だけしか見られないので、ぜひ豊かな心で春を感じ取ってほしい。

さて、桜が咲いた後は、登山、ピクニック、山菜採り、野外バーベキュー、海釣り、潮干狩りなどを楽しめる行楽シーズンだ。もしもこの週末に、登山や海釣りなど海や山のレジャーを予定されている方は天気予報を気にして欲しい。急な荒天の可能性があるからだ。そろそろ、春の嵐“メイストーム”の時期でもあり、海や山は遭難のリスクが高まる。煽りすぎだという意見もあるだろうが、あす金曜日には動き始める方もいると思うので注意喚起はしておきたい。

13日頃に朝鮮半島の上空に「寒冷渦」が現れる予想。
13日頃に朝鮮半島の上空に「寒冷渦」が現れる予想。
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その原因は、上空の寒冷渦だ。

寒冷渦とは、偏西風から切り離されて、流れから取り残された冷たい空気の渦で、台風並の暴風、ゲリラ雷雨、竜巻、突風、落雷をもたらすなど災害に結びつく事も多々ある。

13日昼頃の雨と風の予想。 午前中は西日本、午後は東日本に影響か
13日昼頃の雨と風の予想。 午前中は西日本、午後は東日本に影響か

13日(日)ごろに寒冷渦が列島に接近。寒冷渦はその南東側で活発な積乱雲を急発達させる場合が多く、積乱雲の下では雷、竜巻、突風、雹(ひょう)、局地的豪雨などが起きる。日本列島は、まさに寒冷渦の南東側なのでその可能性がある。

また、寒冷渦の下には寒冷な低気圧を伴っていて、台風並の暴風や強風が吹いたり、海は大しけになる。この低気圧から伸びる前線は、列島を西から東へと移動しながら強い雨をもたらす。

寒冷渦は上空の流れから取り残されるため、影響が長引く可能性がある。早ければ土曜日から影響が出始め、来週の中頃にかけて日本の天気に影響する可能性がある。このため、週末以降は、海や山に行かれる方はもちろん、屋外で行動する予定がある方は、気象情報や警報・注意報などを受け取れるようにしてほしい。
【執筆:三井良浩(フジテレビ気象センター)】

三井良浩
三井良浩

気象キャスター、プロデューサーを経て、2024年にフジテレビを定年退職。現在、フジテレビ気象センターでシニアエキスパート勤務。モットーは、災害から国民の生命と財産を守るための情報を届ける。気象予報士。