4月7日から9日にかけて山陰両県で7件の林野火災が発生しています。なぜ春は山火事が多いのか…特有の気象条件と春先の火災ならではの危険性が潜んでいるためです。

林野庁によると、全国で年間約1300件の林野火災が発生していますが、2019年から2023年の平均では、月別でもっとも多いのが4月の257件、次いで3月です。春に多いのは、冬の間に落ち葉が積もって燃えやすい状態になっていること、また風が比較的強いこと、さらに空気が乾燥した状態にあること、こうした自然条件が重なることが理由とされています。
また防災の専門家は、春先の火の取り扱いについて意外な危険が潜んでいると指摘します。

防災・危機管理アドバイザー 林繁幸さん:
「春の火」は意外と見えないんです、草焼きをされた方が知らないうちに、こんなところが燃えている…というのがけっこうあるんです。

この時期は、炎が陽炎のようになって見えにくく、気づかないうちに延焼することがあるといいます。また、山火事はほとんどが人為的な要因と言われています。
今回の江津の山火事も、ドラム缶のごみ焼きから燃え広がったとみられています。屋外で廃棄物などを焼却する、いわゆる「野焼き」、実は廃棄物処理法で原則禁止されています。

松江市消防本部予防課・中井泰三課長補佐:
火を扱う場合は、その場を離れないのが原則です。火を使う場合は、その場所から離れないようにして、消火する準備をきちんとしておいてほしい。被害を大きくしないためにも火の取り扱いには十分注意してください。

軽微なものなど例外的に認められているものもありますが、火災とまぎらわしい煙や炎を発するおそれのある場合は、消防に事前に届け出る必要があります。

「春は火災が起きやすい」
このことを理解して、火の取り扱いには十分注意しましょう。

TSKさんいん中央テレビ
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