4月5日と6日は、山陰各地で見ごろを迎えた桜を楽しむイベントが開かれました。島根県出雲市では、地域の人たちが長年世話をしてきた桜並木の風景を楽しむウォーキングイベントが開かれました。

出雲市の郊外、北山山地のふもと西林木町。新川沿いの桜並木が満開を迎えました。この桜の風景を楽しむウォーキングイベントが6日に開かれ、約50人が参加しました。

参加した子ども:
きれいだった。

参加した子ども:
初めてこんなに咲いた桜を見たかも。

「新川の桜土手」とも呼ばれ、市民に親しまれているこの桜並木は、1959年に30本の桜の苗木が寄贈されたのをきっかけに地区の住民が植樹を進め、長年世話を続けてきました。今では約300メートルに渡り270本ほどの桜が植えられ、この地域のシンボルにもなっています。

観桜会・宮國忠光さん:
木がもう老木で、古い木だと60年以上のものもありますので、枝が枯れてきたり落ちてくることもあるので、けがをしないように見ている。

こう話すのは宮國忠光さん。桜並木の世話をしている地元住民の団体「観桜会」の会長です。桜並木の桜は、古いものでは植樹から60年余りが経過し老木も多いことから、この会では2024年から地区の子どもたちにも呼びかけて若い木への植え替えを進めるなど、桜並木の保存活動にも取り組んでいます。

参加した子ども:
僕らが植えた分もある。こうした行事がさらに続いてくれたらいいなと思います。

こうした桜の風景を守る地域ぐるみの取り組みを大手企業も支援しています。大手ビールメーカー「キリン」が、2024年から取り組んでいる「晴れ風ACTION」は、桜の風景や花火大会など日本の「風物詩」を後世に残そうと、その保全や継承の取り組みに商品の売り上げの一部を寄付しています。
この会では、贈られた寄付金を桜を守る活動や桜並木の歩道の整備などに活用します。

観桜会・宮國忠光さん:
県のあちこち、もっといいところあると思うけど、選んでもらって本当に喜んでいる。桜が何代にも続いてほしいですね。

「晴れ風ACTION」は、山陰両県では雲南市の斐伊川堤防や鳥取県琴浦町、三朝町の桜を守る活動も支援しています。美しい日本の風物詩を次の世代に。高齢化や少子化で継承が危ぶまれる中、企業の支えも力になっています。

TSKさんいん中央テレビ
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