天皇皇后両陛下は戦後80年にあたり、太平洋戦争の激戦地・硫黄島を訪れ、7日午後3時過ぎ、慰霊碑に供花されました。

昼過ぎに硫黄島入りした両陛下は、午後3時過ぎ、「硫黄島戦没者の碑」を訪問されました。

命を落とした日本軍約2万2000人を慰霊するために造られた国の施設で、旧海軍が指揮所を置き、最後の拠点として組織的な戦闘を行った天山壕の上に造られたことから「天山慰霊碑」と呼ばれています。

雨が降るなか、両陛下は出迎えた遺族ら一人一人に会釈をし、慰霊碑へとゆっくり進まれました。

硫黄島では、太平洋戦争末期の1945年2月から3月にかけて、全長18キロに及ぶ地下トンネルを駆使し、1カ月余りにわたる徹底した持久戦が行われました。

火山活動が活発な硫黄島には河川が無く、「渇水の島」と言われ、地下トンネルはサウナのような暑さと深刻な水不足で過酷な環境にあったといいます。

遺骨を納める箱をかたどった石碑の上には、暑く暗い地下壕に潜み、日光や雨水を激しく求めた兵士の心境を思い、天窓が設けられています。

両陛下は皇居から持参した白いユリなどの花束を手向けると、慰霊碑の前に歩み出て、柄杓を手に静かに水を注ぐ「献水」を行い、深く拝礼されました。

このあと、両陛下は、戦争に巻き込まれた島民の霊を慰める「旧島民平和祈念墓地公園」や日米すべての戦没者の慰霊碑「鎮魂の丘」を訪問し、遺族や元島民の孫などから話を聞いた後、島を後にされます。

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