アメリカのトランプ大統領が2日に発表した「相互関税」で、ペンギンなどしか生息していないオーストラリアの無人島にも10%の関税が課されました。
トランプ大統領が発表したリストは「国」の他にも一部の地域を示す「領土」が含まれていて、南極に近いオーストラリアのハード島とマクドナルド島にも10%の相互関税がかけられることになりました。
しかしユネスコなどによりますと、これらの島は無人島で、ペンギンなどの野生生物しか生息しておらず、経済アナリストはユーモア交じりにコメントしました。
ロバート・カーン氏:
ペンギンが我々よりも貿易で有利になることを心配していると思うが…ペンギンが何を輸出しようとしているかもわからないが…あまり深く考えなくてもいいでしょう。
アナリストは、関税のルールを巡ってトランプ政権内で合意ができず、広くカバーするものを打ち出したのではないかと分析しています。
オーストラリアでは他にも離島の「ノーフォーク島」に29%の関税が課されることになりました。
「国」としてのオーストラリアに課される10%よりも高い関税率にアルバニージー首相も首をかしげています。
オーストラリアのアルバニージー首相:
興味深いことにノーフォーク島は「29%」かと。ノーフォーク島のアメリカ向けの主要輸出品が何なのかわからないし、なぜ選ばれたのかはわからないが、それが現状だ。
アルバニージー首相は「報復関税」をアメリカに課す予定はないと語りました。
この他にもイギリスやフランスの一部地域も10%を超える関税の対象にあげられていて、今回、トランプ政権がどういう基準でリストを作成したのか、その経緯に注目が集まっています。