チャットGPTが25日、画像をジブリ風やゴッホ風に変換する新機能を公開した。この技術は写真を簡単に人気アニメや名画風に加工でき、欧米で話題となっている。専門家は著名キャラを描く場合には、著作権侵害のおそれがあると指摘する。一方、個人の写真を変更するだけなら大きな問題はないとの見解も示した。

ジブリ風や名画風AI生成に世界が注目

今、対話型AI「チャットGPT」の最新機能が注目を集めている。
自分で撮影した写真を取り込むと、ゴッホ風の画像に変えられたり、浮世画風の画像に変えられたりする。

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中でも、大きな話題となっているのが「ジブリ風」だが、著作権について懸念をする声も挙がっている。

2025年2月に行われたアメリカのトランプ大統領と、ウクライナのゼレンスキー大統領の会談の画像をもとに、「スタジオジブリ風」に生成された画像を見ると、実際の会談は緊迫したなか行われたが、生成された画像では、コミカルな表情で描かれている。

他にも、2024年のアメリカ大統領選の際にトランプ氏が銃撃を受けたときの様子を、同じく「ジブリ風」に生成されたものもある。まるでプロのアニメーターが描いたかのような仕上がりだった。

これらの画像は、25日から提供が始まったチャットGPTの新機能を使って作られたものだ。

チャットGPTを開発したOpenAIのサム・アルトマンCEOも、26日にXの自らのプロフィール写真を「ジブリ風」だとする画像に変更した。

人気アニメや漫画風の画像が手軽に作れることから、欧米では今大きな話題になっている。

渋谷のスクランブル交差点で撮った写真を、実際にChatGPTの新機能で「ゴッホ風に」と入力すると、約1、2分でゴッホ風の画像へ変換する事が出来た。

空を描く際の大胆な筆使いなど、ゴッホの特徴を捉えているようで、AIによる自動生成の精度の高さがうかがえる。

同じ写真で「浮世絵風」と入力すると、丁寧に絵の上の方には題名のような文字まで入っていた。しかし、よく見ると日本では見られない漢字が使われていた。

「ジブリ風」だけでは著作権違反にはならず

街の人にも、実際に新機能を見てもらった。

記者:
ゴッホか、浮世絵どっちがいいですか?

20代:
ゴッホで。なんか老けて出てきましたよ。すごい、めっちゃ絵。意外といい感じ。かわいい。

記者:
ゴッホ風か浮世絵風どっちがいい? 

50代:
浮世絵だな。なんかやばいな。すげえ。漫画じゃん完全に顔。

40代:
目元似てるよ。

50代:
なんか爽やかになってない?カーネルサンダーみたい。ちゃんと絵になるんだ。これすごいな。

思わず使ってみたくなるこの新機能に、街の人も興味津々だ。一方で、懸念の声もあった。

40代:
遊びだったらいいけどね。遊ぶ程度なら。

50代:
著作権の問題だとか、規定だとかに引っかかってくるのかなと思う。

果たして、「○○風」の画像生成は、著作権上の問題はないのか、弁護士に話を聞いた。

橋下綜合法律事務所・溝上宏司弁護士:
「ジブリ風」という形になってくると、「ジブリ風」はそもそも著作権で保護されている対象にはならないので、自分の写真を変換した物を(SNSに)載せても大きな問題にはならないと思う。

一方で、溝上弁護士は、著作権法違反になる可能性がある使用方法もあるという。

橋下綜合法律事務所・溝上宏司弁護士:
写真を取り込んだ上で「トトロと一緒にいる絵にして」という風な形で出すと、トトロが描かれている部分については、著作権違反の問題が出てくるという話と理解してもらえればと思う。

スタジオジブリは、番組の取材に対し、「コメントはない」としている。
(「イット!」3月28日放送より)

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