三原じゅん子こども政策相は25日、記者団に対し、昨年度の児童虐待の相談件数について、「前年度に続いて増加傾向にあり、1万件超も増加している。これを非常に重く受け止めている」と述べた。
厚生労働省の発表によると、2023年度に全国の児童相談所が対応した児童虐待の相談件数は22万5509件。前年度と比較して1万666件増え、過去最悪の水準となった。
三原氏は、増加した原因について、「核家族化や地域関係の希薄化などによって、孤立した状況で子育ての困難に向き合わざるを得ない家庭が多くなってきていることなどが考えられる」と指摘。
「様々な要因で起こる児童虐待に対応するためには、まず児童相談所における体制の強化が重要だ」と強調した。
その上で、「こども家庭庁では、児童福祉士の増員を図るとともに、児童相談所の職員の定着支援のため、メンタルヘルスケアなどの取り組みも促進し、子どもを守るための児童相談所の体制強化を進めていく」と強調した。
また、三原氏は、「近年、心理的虐待の児童虐待相談対応が非常に増えている」として、「子どもの目の前で配偶者に暴力を振るう、暴言を吐くことは、心理的虐待となり、子供を深く傷つける行為であり、決して許されるものではありません」と述べ、「家庭や子育てに関する悩みは、ぜひ近くのこども家庭センターや児童相談所に相談してほしい」と呼びかけた。
そして、今国会に提出されている、虐待を受けた児童への対応の強化などを盛り込んだ児童福祉法等の改正法案について、「法案の早期成立を目指す」と強調した。