新人議員に商品券を配ることは、自民党政権の慣習だったのか?
国会での野党の追及に、石破首相は「知る立場にございません」、「知識もございません」、「コメントはいたしかねる」といった答弁を重ねた。
こうした中、自民・大岡敏孝議員が、約12年前に安倍元首相から公邸での会食のあと、“商品券のようなもの”を受け取ったと明らかにした。

自民党の慣習?石破首相「慣行だったか知る立場にない」

21日朝、首相官邸を出る際、石破首相は食い入るようにスマホを見ていた。
国会で審議が始まる直前も画面を見つめていた。

国会で審議が始まる直前もスマホ画面を見つめていた石破首相
国会で審議が始まる直前もスマホ画面を見つめていた石破首相
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その石破首相を、野党は21日も追及を続けた。

立憲・石川議員:
商品券の問題、聞かなければならない。
そういう慣行が自民党内にあったこと、ご存じだった?

石破首相:
それが慣行だったかどうか、知る立場にない。

自民・大岡議員「新人だったころ…商品券的なものであった」

商品券の配布が自民党の慣習だったか、追及が続く中、21日、自民党議員から新たな証言があった。

約12年前に商品券的なものを受け取ったと証言した自民・大岡敏孝議員
約12年前に商品券的なものを受け取ったと証言した自民・大岡敏孝議員

自民・大岡敏孝議員:
私が新人だったころだから、約12年前です。
商品券的なものであったことは間違いない。

自民党の大岡議員が、第2次安倍政権だった当時、首相公邸での会食のあと、「商品券のようなもの」を受け取っていたことを明らかにしたのだ。

自民・大岡議員:
商品券だったとすれば、10万円ぐらいだった。
私は、党側からいただいたと思っていた。
実は、記憶あいまいなんですけど、直接、安倍総理から手渡されたわけではないと思います。そういう場面はなかった。

安倍元首相との会食の際に、10万円分の商品券が配られたという。
今回の石破首相と、似た状況だ。

自民・大岡議員:
本来は、もっと立場が上の方が矢面に立って、ちゃんと説明をしてあげないと。

立憲・杉尾議員「慣例なら官房機密費使われた疑い出てくる」

説明を求められた、“立場が上”の石破首相は、野党の追及に次のように答えた。

立憲・石川議員:
いろんな人が配っているんだろうな、ということを見聞きしたことはあった?

石破首相:
そういう話もあるね、ということは聞いているが、私はそれを確認したわけでもない。

石川議員:
これは自民党の流儀だと、進言された?

石破首相:
あくまで私の判断。人に言われてやっていることではない。

ポケットマネー?石破首相「証明の仕方どう考えても難しい」

さらに野党側は、商品券の原資が、領収書などが不要で、原則使い道が公開されない「官房機密費」ではないかと、石破首相を追及した。

立憲・杉尾議員:
慣例でこういうことが行われてきたとしたら、官房機密費を使われた疑いが出てくる。
本当にポケットマネーから出したのか?証明できるか?

石破首相:
本当です。

杉尾議員:
証明できますか?

石破首相:
証明の仕方がどう考えても難しい。

杉尾議員:
金を引き出した銀行口座、あるいは事務所の帳簿つけていますよね、出して下さい、記録。

石破首相:
ポケットマネー、現金について、そのような記録はない。それはどこでもそうでしょう。(『ほ~』の声に)いや、ほ~ではありません。そういうものではないか。

ポケットマネーから出したことについて、石破首相は“証明の仕方が難しい”と説明する。

専門家は、次のように指摘する。

「石破首相は『政治資金ではない』と言い続ける以外にない」と伊藤惇夫氏
「石破首相は『政治資金ではない』と言い続ける以外にない」と伊藤惇夫氏

政治ジャーナリストの伊藤惇夫氏:
石破総理自身の個人の通帳から同様の金額が引き出されていれば、証明になるかもしれませんが、そういう記録が出てくる可能性は極めて低い。石破さんは「ポケットマネーだ」、「事務所のお金ではない」、「政治資金ではない」と言い続ける以外にない。

国会が大きなヤマ場を迎える中、石破首相は厳しい政権運営を迫られている。
(「イット!」3月21日放送より)