さまざまな物の高値が続く今、「SDカード」が注目されている。と言ってもデジタルカメラやスマートフォンに使うメモリーカードのことではない。買い物でも大活躍するというこのカードについて調べてみた。

■メモリーカードじゃないほうの「SDカード」

「お米が高くなってるのと、電気代とガス代、なんでも高くなってます」「なんでも野菜類は高いですよね。あとガソリンですね」「困ってます。とにかく節約で」などと街の人も悲鳴を上げる昨今の物価高。そこでじわじわと人気が上がっているのが「SDカード」だ。

街の人「なんでも高くなってます」
街の人「なんでも高くなってます」
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メモリーカードではないほうの「SDカード」、それは「無事故・無違反」の安全運転者(Safe・Driver)の証だ。ハンドルを持った犬のイラストがあしらわれている。1年以上無事故・無違反の人なら自動車安全運転センターで誰でも受け取れる。発行には670円かかるが、カードの提示で日本全国のさまざまな店でお得な割引サービスを受けることができ、自動車安全運転センターの花田諭課長は「米とかも高い中で、割引は消費者の方が気にされるところ。ショッピング関係とか、あとガスリンスタンドとか、飲食店とかいろんなところで使える」と話す。

SD(セーフ・ドライバー)カード
SD(セーフ・ドライバー)カード

しかし街の人に聞いてみると「SDカード?スマホとかに使うやつですよね?」「ケータイのメモリですか?」「今初めてみました。どこで作れるんですか?」という声がほとんどで知名度はいま一つのようだ。

自動車安全運転センター 花田諭 課長
自動車安全運転センター 花田諭 課長

■価格高騰のガソリンも値引き対象に

そうした中でも「SDカード」の福岡県内の登録者数はここ数年じわじわと増え、2023年度には14万人を突破した。

福岡県内のSDカード登録者数(自動車安全運転センター 参照)
福岡県内のSDカード登録者数(自動車安全運転センター 参照)

政府による補助金の縮小で価格が高騰しているガソリンも値引き対象だ。福岡市にある喜多村石油のガソリンスタンドには特にSDカードに関するお知らせは見当たらないが、吉田亮一担当部長は「ガソリン・軽油・灯油それぞれ値引きさせていただきます」と話す。ここではSDカードを見せるだけで、1リットルあたり2円の値引きとなるほか、車検も3000円引き。整備費用も10%引きとなる。

1リットルあたり2円引き(喜多村石油)
1リットルあたり2円引き(喜多村石油)

■ショッピングや金融でも優遇サービス

吉田さんによると1年間で利用するのは1~2人程度。「SDカードが有効に利用できる場面であれば、ぜひ利用いただいた方がいい」と話す。

優遇を受けられるのはガソリンスタンドやレンタカーといった自動車関連だけではない。ショッピングや金融関係、冠婚葬祭まで暮らしの多岐に及ぶ。

喜多村石油 吉田亮一 担当部長
喜多村石油 吉田亮一 担当部長

例えば新社会人にはうれしいスーツ類も割引の対象。福岡市の「紳士服のフタタ」ではすべての店舗で全商品が10%引きで、スーツを含めた8点セット(税抜き2万9900円)も10%オフと、お得に購入できる。

全店舗で全商品10%引き(フタタ・ザ・フラッグ)
全店舗で全商品10%引き(フタタ・ザ・フラッグ)

■サービスの対象店は全国に

「フタタ・ザ・フラッグ」の久富陽平店長は「徐々に認知度も上がっているようなので、利用も増えてくるのではないか。今の時期、ご入学・ご就職のお客様にお得にご購入していただきたい」と話す。

安全運転者の証で、わたしたちの家計も助けてくれる「SDカード」。優遇サービスの対象店は全国にあり、詳しくは自動車安全運転センターのホームページで確認することができる。

フタタ・ザ・フラッグ 久富陽平 店長
フタタ・ザ・フラッグ 久富陽平 店長
テレビ西日本
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