19日、東京都心は予想外の積雪だったが、なぜだったのか?
18日午後5時に発表された東京の予想最低気温は3度だった。ところが実際には、これよりも低くなり、午前10時前に0.5度まで下がってしまった。一体何が起きたのか?探ってみると、朝5時過ぎに気温が下がるきっかけが起きていた。
東京都心の風向きは5時10分ごろまでは北東寄りの風だったが、5時30分には北西寄りの風になった。すると、東京都心の気温は予想よりも速いペースで低下を始めた。北東風は冷たい風ではあるが、茨城沖の太平洋上から吹いて来るため、水が凍るほどの低温ではない。ところが、北風や北西風が朝に吹いた場合、栃木県や群馬県などの0℃前後の空気が東京に運ばれて来るのである。今朝5時過ぎの風向の変化が、冷たい空気を東京へと輸送してしまった。

さらに、強い雨が降った事も雪が降った原因の1つだ。強い雨が降ると、上空の寒気が雨と共に地表付近まで下りて来るのである。夏でも雹(ひょう)が降ると気温が下がるが、今朝は都心で雹が観測された。
18日夕方に発表された気象庁大雪情報において、「東京23区では積雪とはならない見込みですが、予想より気温が下がった場合には積雪となる可能性があります」と書かれていたが、予想よりも下がった事が外れた原因だ。
東京都心では昼前に雨に変わった。このあと、週末から来週にかけては再び春の暖かさとなり、都心では桜が開花する予想である。
【執筆:フジテレビ気象センター 三井良浩】