パレスチナ自治区ガザで17日、イスラエル軍が大規模攻撃を再開し、700人以上が死傷した。
ハマスはこれに対し、停戦合意違反だと批判した。
アメリカは事前に相談を受けていたとし、専門家によると、イスラエルの攻撃にはトランプ政権寄りの姿勢や首相の国内支持確保が背景にあるとの見方もあるという。
イスラエルが停戦合意覆し攻撃…女性や子どもが犠牲に
18日、パレスチナ自治区ガザでは、赤い炎が暗闇を照らしていた。
1月から停戦が続いていたが、イスラエルが大規模な攻撃を行い、700人以上の死傷者が出ている。

遠くから聞こえてくる爆発音や悲鳴、建物からは災と煙が立ちのぼっている。
攻撃した理由をイスラエルは、声明でこう発表した。
イスラエルの声明:
ハマスが人質の解放を繰り返し拒否し、アメリカの提案を拒否したためである。
ハマスが停戦期間の延長に応じなかったため、攻撃を再開したとしている。

一方、ハマスはこう発表した。
ハマスの声明:
ネタニヤフ首相とその過激派政府は、停戦合意を覆すことを決定し、人質の運命を危険にさらすことになる。
ハマスは、イスラエルが停戦合意を破ったと批判した。
ガザ地区の当局は少なくとも356人が死亡、350人が負傷したと発表した。
その多くが女性と子どもだという。
ガザ地区の住民:
隣の家の家族はほぼ全員が死亡し、私たちの家も上に崩れ落ちてきました。
イスラエルが攻撃を始めた2つの理由
突如行われた大規模攻撃について、アメリカ・ホワイトハウスのレビット報道官が17日、現地メディアに出演し、「イスラエルから事前に相談があった」と、FOXテレビの番組で明らかにした。

レビット報道官(FOXテレビの番組にて):
トランプ政権とホワイトハウスは、イスラエルから今夜のガザ地区での攻撃について相談を受けた。
イスラエルがこのタイミングで攻撃を始めたことについて、中東情勢にくわしい専門家はこう分析する。

放送大学名誉教授・高橋和夫さん:
1つは、トランプ政権の重心がイスラエル寄りに動いてきたということ。2つ目は、ネタニヤフ首相としては、3月中に予算を成立させないといけない。そのためには、連立政権内の右派の支持を維持しないといけない。この(右派の)人たちはハマスの殲滅(せんめつ)を求めていると。今戦闘を再開することで、この人たちの支持を維持しようと。
攻撃再開により、恒久的な停戦のための交渉が打ち切られる可能性がある。
(「イット!」3月18日放送より)