男性2人をそそのかし自殺させた疑いで逮捕された大阪・河内長野市の占い師の女とその信者が、男性たちが死亡した2日後にパソコンなどを使い、遺書を偽造した疑いがあることが新たに分かった。

事件の発端は5年前の2020年8月

自らを“創造主”と名乗っていた女。

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2人の男性をそそのかし、自殺させた疑いが持たれている、大阪・河内長野市の占い師、浜田淑恵容疑者(62)。

事件の発端は5年前の2020年8月、和歌山県の海岸で起きた男性2人の入水自殺だった。

遺体で発見されたのは、会社を経営していた当時66歳の寺本浩平さんと、従業員だった米田一郎さん(51)。

発見当時、互いの手がコードで結ばれていたという(イメージ)
発見当時、互いの手がコードで結ばれていたという(イメージ)

発見当時、互いの手がコードで結ばれていたという。

2人を入水自殺させた疑いで、浜田容疑者と信者の滝谷奈織(なぽり)容疑者(59)が、そして、浜田容疑者と共謀し2人の遺書を偽造した疑いで、信者の寺崎佐和子容疑者(47)がそれぞれ逮捕された。

寺本さんは、スピリチュアル・カウンセリングと称した悩み相談で、占い師の浜田容疑者と知り合った。

浜田容疑者との関係について、寺本さんの知人は「彼がいかがわしい新興宗教の団体に入っていると。教祖から『死になさい』と言われたかもしれない」と話す。

寺本さんは、自分の会社の従業員だった米田さんとともに、創造主と名乗る浜田容疑者に心酔していったとみられる。

寺崎容疑者のPCに遺書と同じ文面のデータがあった

浜田容疑者は、こうした状況を悪用したのだろうか。

寺本さんたちの自殺について「(浜田容疑者の)交際相手に悪い物がとりついたので救いたいと思った。寺本さん米田さんに自分の命を絶ち、交際相手を救うことを話すと賛同してくれた。(滝谷容疑者を含め)4人で死ぬ計画をたてて海に入った」と供述しているという。

一方で、浜田容疑者は別の50代男性を「一郎も浩平ももういないよ。あいつらは死んだ。だからお前も覚悟しておけよ」と脅し、現金8000万円余りをだまし取った罪で、既に起訴されている。

「一郎」は米田さん、「浩平」は寺本さんとみられる。

また、寺本さんたちが自殺したように思わせる遺書を偽造したとみられている浜田容疑者と寺崎容疑者。

その遺書には「一郎さんと旅立つ私をどうかお許しください。コロナ不況で全く仕事がとれなくなり、私の夢は打ち砕かれました」と書かれていた。

警察によると、寺崎容疑者のパソコンには、2人が死亡した2日後の8月3日頃に保存されたとみられる、遺書と同じ文面のデータがあったという。

遺書を巡り、浜田容疑者は「遺書があれば、単なる自殺で早期に終わるかもしれないと思った。2人で勝手に自殺したように見える文書を作成した」などと供述しているという。

警察は浜田容疑者らの認否を明らかにしていないが、寺本さんたちを精神的に支配していたとみて調べている。
(「イット!」 3月13日放送)