長野県野沢温泉村のスキー場では、3mを超える積雪によって道路標識まで手が届くようになっていて、人気の撮影スポットと化している。一方で、大量のステッカーが貼られるなど迷惑行為が後を絶たず、県が対策を講じる事態となっている。

人気撮影スポットに「手が届く」標識

野沢温泉スキー場のゲレンデ横にできた人だかり。お目当ては…雪に埋もれた「道路標識」。

積雪で手が届く道路標識
積雪で手が届く道路標識
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県道502号線通称「奥志賀公園栄線」。普段は道路標識は4.5mの高さにあるが、現在は、3.6mの積雪があり、手が届く高さになっている。

5日も多くの外国人客が記念撮影をしていた。

台湾からのスキー客は「かっこよくておもしろい、こんなにも雪が積もっているんだから」「ここはネットで見ました、すごく有名です」と話した。

ゲレンデ横に現れた「手が届く道路標識」の写真は、外国人観光客らによってSNSで拡散。今では人気の撮影スポットと化している。

しかし大量のステッカーが…

しかし、よく見ると標識には大量のステッカーが貼られている。その数、約170枚。県によると、一部の観光客がここを訪れた記念に貼っていくのだという。

標識には大量のステッカー
標識には大量のステッカー

県北信建設 飯山事務所・林春樹所長は「大量にステッカーを貼られるようになったのは、今年に入って2月の後半ごろから。案内標識という目的物ですので、その機能が損なわれる状況は本当に困っている」と述べた。

さらに、標識のいたるところに傷も。スキーのストックなどで突いたり、叩いたりしたしたものとみられる。

オーストラリアからのスキー客は「こんなに貼っちゃうと道路標識だとわからないですよね。ステッカーを貼る場所みたいになっちゃっている、すごくよくない」と話した。

ステッカーはがしロープ設置

後を立たない迷惑行為。県は4日、注意喚起の看板と標識に近づけないよう周辺を囲うロープを取り付けた。5日は、へらを使って一枚一枚はがす作業もしたが、標識は塗装が剥がれ虫食い状態になってしまった。

ステッカーをはがす職員ら
ステッカーをはがす職員ら

県によると、道路標識を汚したり、傷つける行為は、道路法違反に該当する可能性があるという。

県北信建設 飯山事務所・林春樹所長は「(張替費用は)板だけで40万円くらい。記念撮影の場所としてはあってもいいと思いますが、それを損傷したり汚したりされると、そういうこと(記念撮影)ができなくなるので、傷つけたりしないでもらいたい」と述べた。

スキー場もロープの中には入らずに写真撮影をするよう呼びかけている。

野沢温泉・高沢公治取締役は「インバウンド客も多く来ているし、賑わいを見せているのでありがたいが、マナーを守っていただきたい」と要望している。

(長野放送)
 

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