老朽化した水道管の損傷が全国で相次ぐ中、フジテレビ「日曜報道 THE PRIME」に埼玉県の大野元裕知事と自民党の田村憲久水道事業促進議員連盟会長が出演。下水道管の交換の難しさや水道料金の値上げラッシュの現状などについて議論した。
埼玉・八潮市の道路陥没事故から1カ月。3年前に現場付近で行われた下水道管の点検では、「緊急の対応は必要ない」という評価だったのにも関わらず起きた事故だった。県は、近く陥没現場と運転席が見つかった箇所を迂回(うかい)するように下水を流すバイパス管の工事に着手するとしている。
埼玉県の大野知事は、「下水道に関しては日本中で一度も本格的更新が今まで行われたことがない。しかも更新の方法すら確立されていない」として、上水道は止められるが下水道は止められないため、下水道管の本格的な交換が今まで行われたことがないと語り、「今後、日本中で同じ事が起きかねない。深刻な問題なので議論する必要がある」と水道管の老朽化が進む中で警鐘をならした。
現在、上水道は全体の22%が法定の耐用年数の40年に達し、老朽化している。その割合は10年後に40%を超え、20年後には66%に達する見込み。一方、生活排水に使われる下水道の耐用年数は50年だが、7%が老朽化し、20年後には40%になる見込みだ。
番組では、老朽化対策や人口減などで、独立採算制の水道事業が値上げラッシュとなっている現状や、水道事業を継続させるための広域化や官民連携の必要性などについて、自民党の田村氏や橋下徹らと議論した。