自民公明と日本維新の会は、高校授業料の無償化などで正式に合意し、この後、三党が党首会談を開く予定となっている。これで2025年度の予算成立については目処が立った。で、あの、その中、強硬姿勢をつなぐ国民民主だが、年収の壁の議論の行方はどうなるのかーー。
自民公明と日本維新の会は、高校授業料の無償化などで正式合意
三連休が明けた25日の国会。2025年度予算案の修正をめぐる与野党の協議は、大詰めを迎えた。

前原誠司共同代表(62):
社会保険料・教育無償化に関わる考え方が具体的にまとまったと、我々は自負しております。
高校無償化を訴えてきた、日本維新の会は25日午前、緊急の役員会を開催し、高校授業料の無償化などで自民、公明両党の政調会長と取りまとめた合意案を了承した。
ところが、正午過ぎの両院議員総会では波乱があった。与党との合意を前に会場がざわつく。記者の退室後、合意文書と予算案の賛成について計られたが、出席者から怒号が飛んだ。

扉越しに聞こえた日本維新の会議員の声:
恥ずかしくないのか!あなた方執行部の失態です!
予算案に反対するべきだという意見など、執行部に対する不満は噴出した。
しかし、同じ正午過ぎ、維新の吉村洋文代表(49)は、「最初の合意書案は修飾語や曖昧な文言が非常に多かったんですけど、今回の合意書案については、僕は一定まとまってきたと思っています」と述べた。
休憩を挟み、午後5時に再開した維新の会合は終了し、合意の文書案が了承され、予算案に賛成する方針を決めた。

前原誠司共同代表(62):
両院議院総会を開かせていただきました。様々なご意見を賜りました。
結果から申し上げますと、お一人が予算案・合意文案には反対と意思表示をされましたけれども、他の方々におかれましては、全員が賛成という決断をいただきました。

維新の吉村代表は、党内の合意を得た上で25日夜にも石破茂首相(68)と、公明党の斉藤鉄夫代表(73)との党首会談に望み、正式に合意する見通し。
国民民主は所得制限設けた与党案を一蹴…強硬姿勢続ける
一方、維新とは対照的な姿勢を見せたのが、国民民主党。

年収103万円の壁の引き上げをめぐる協議では、先週、公明党が新たな引き上げ案を提示した。年収850万円を上限にした所得制限を設け、4段階で非課税枠を引き上げるというものだ。

自民党・小野寺五典政調会長(64):
先週金曜日、自民党案をベースに作成した公明党案が提示され、本日にも回答が来ると思いますので…。
回答を待っていた自民党に対し、国民民主党が25日午前に示した回答はこうだった。

国民民主党・古川代表代行:
やはり所得制限があるというのはおかしいんじゃないかと。ですから所得制限の撤廃を求めていこうと。そもそも、税の理屈としてですね、そうやってですね、細かな壁を作っていくというのはいかがなものかと。
古川代表代行は所得制限を設けた与党案を一蹴した。
国民民主が、こうして強硬な姿勢を取る背景には、「国民民主は妥協する方が参院選にとってマイナスだからでしょう」といった2025年夏の参院選を指摘する自民党議員の声も聞かれた。

国民民主と向き合う、自民党の宮沢税調会長は25日、党の会合を終えて、憮然とした表情を見せ、「交渉中だから」と取材には応じなかった。
合意間近の維新と、強硬姿勢の国民民主。
予算をめぐる与野党の攻防は、今も続いている。
(「イット!」 2月25日放送)

※追記
自民党総裁の石破首相と公明党の斉藤代表、日本維新の会の吉村代表の3党首は25日午後、国会内で会談し、高校を中心とした教育無償化と社会保険料引き下げを行い、2025年度予算案を早期に成立させることを盛り込んだ合意文書に署名した。維新の賛成により、来年度予算案の衆議院通過、参院審議を経ての成立が確実になった。