石破茂首相も国会で、「極めて深刻かつ重大な問題」と発言するほど、上昇し続けている米の価格。

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2月14日には農林水産省が、約21万t の備蓄米を放出する方針を固めました。
17日には放出する量や入札の手続きなどについての説明会を開き、約200人が参加。

初回の放出量は15万t で、3月上旬に入札が行われ早ければ3月末にも店頭に並ぶ見通しとなっていますが、放出する15万t の内、3分の1にあたる5万tが令和5年(2023年)産の「古米」であることから、消費者からは戸惑いの声が上がっています。

街の人:
(古米は)水分が抜けていて、味的には落ちてしまうのかなというイメージです。

見た目も味も「ほぼ同じ」?

実際に、古米は、新米と比べて、味や品質が違いはあるのか。
五ツ星お米マイスターの澁谷梨絵さんを取材したところ、見せてくれたのは澁谷氏が保管していた令和6年(2024年)産の新米と、令和5年(2023年)産の古米。

五ツ星お米マイスター 澁谷梨絵氏:
こちらが令和6年産の、今皆さんが食べている新米と言われるお米で、こっちが(さらに)1年前のお米になります、令和5年栽培のお米です。
1年間たっているんですけど、どちらもきょう玄米から精米したものなので、パッと見て分からないですよね?

見た目では全く違いがわからない2つのお米。澁谷氏によると、保存状態が良ければ、お米のプロでも味の差をあまり感じないといいます。

五ツ星お米マイスター 澁谷梨絵氏:
新米と古米食べていただいても、おそらくほとんど分からないんじゃないかなというふうに思います。
味的には、実は、備蓄米の倉庫というのは、低温冷蔵でしかも湿度の管理がしっかりされていて、玄米の状態で保管されているので、品質的にはほとんど変わらないように、水分量も変わらないように保管はされているので。
我々(プロ)も食べ比べても分からないくらいの、本当に微妙な差だと思います。

「めざまし8」のスタジオでも食べ比べてみましたが、「違いが分からないほどどちらもおいしい」という意見が多数を占めました。

小室瑛莉子アナウンサー:
見た目じゃ分からない…、どっちもおいしいですよ。
新米の方が粒が硬くしっかりしたような感じはして、でも両方おいしかったです。

古米と新米を食べ比べる小室アナと谷原章介
古米と新米を食べ比べる小室アナと谷原章介

店で並んでいる新米と古米を見分けるコツとしては、パッケージを見比べ、「産年」に注目すると、その年に収穫されたものが「新米」、それより前に収穫されたモノは「古米」となります。
(※米の収穫は秋のため、令和7年産のものは現状存在せず、令和6年ものが新米)

パッケージに書かれた「産年」に注目
パッケージに書かれた「産年」に注目

また、古米は新米に比べると、炊いたものが冷めたときに米特有の“香り”が少し落ちるといいます。

古米をさらにおいしく!

味の違いはそこまで新米と差はないものの、古米を“よりおいしく炊く方法”を澁谷氏に伺いました。

・吸水時間は30分(新米は1時間)
古米は水分量が少ないため、吸水しやすく長く置くとべちゃべちゃになってしまう

・時計回り・反時計回りにそれぞれ優しく5~6回とぐ(新米は3~4回)

よりおいしく炊く方法として、マヨネーズを1合に対して大さじ1/2杯、もち米を1合に対して大さじ1杯ほど入れると、つやのあるふっくらとしたご飯に仕上がるといいます。

また、買った後の保存方法も大切で、空気を抜いて密閉できる保存容器に古米を入れて、冷蔵庫の野菜室で保存してください。冷蔵で保存することでより長持ちします。

小室アナ:
古米の方が水につける時間が短いなら、普段からお米を炊く身としては古米の方が使いやすいなと思っちゃいました。浸水時間が短いとすぐ食べられるってことですよね。

「古米」という名前が悪いと指摘する鈴木おさむ氏
「古米」という名前が悪いと指摘する鈴木おさむ氏

鈴木おさむ氏:
これは名前が悪くないですか?2年目から「古米」になっちゃうんですよね? 
「2年米」「3年米」といった方が、古米というと全部が一緒くたで。なんかかわいそう…名前が。

小室アナ:
2年目とか言ってほしいですね。2年目米。両方おいしかったです。

鈴木おさむ氏:
ぼくは古米を応援したいのでね、いいじゃん!おいしいじゃん!

MC谷原章介:
みんなでおいしく古米をいただきましょう。 
(めざまし8 2月18日放送)