1本の電話から命がけの“ショウタイム”が始まった。爆破テロ事件と生放送が同時進行する緊迫のリアルタイム型サスペンス・エンタテインメント。現在公開中の話題作「ショウタイムセブン」の見どころを、広島市の映画館「八丁座」の桑原由貴支配人とテレビ新広島の加藤雅也キャスターが主観たっぷりに語りつくす。
主演・阿部寛が自身初のキャスター役
今回のシネマ対談に用意された場所はテレビ新広島の「制作サブ」(副調整室)。スタジオに指示を出したりVTRを流したり、番組をコントロールする場所である。

八丁座・桑原由貴 支配人:
最初から最後まで緊張感いっぱいで、あっという間の98分でした。
テレビ局が舞台になった映画「ショウタイムセブン」の中にも制作サブの空間がたびたび登場。桑原支配人と加藤キャスターの主観を交えながら作品の世界に入ってみよう。

午後7時、爆破テロ事件発生。
犯人から交渉人に指名されたのはニュース番組「ショウタイムセブン」の元人気キャスター。すべての発言が生死に直結する極限の生中継がリアルタイムで全国民に拡散されていく。
加藤キャスター:
テレビ局に爆破物が仕かけられて…。ほぼスタジオの中のシーン。それで1時間半以上も見せられるんだと驚きました。
桑原さん:
私もそこがすごく良かったなと思っていて。カメラ5台を設置して360度あらゆる角度から撮影し、リアルを徹底的に追及しています。まさに没入感をもって見ることができる作品。そういう細かいところが画面に緊張感をもたせて一気に見せるような効果を発揮しているのかなと思いました。
主演の阿部寛はキャリア40年にして自身初のキャスター役に挑戦。その熱演ぶりもこの作品の大きな見どころだ。

桑原さん:
圧倒的な存在感と演技力に魅せられました。膨大なセリフ量をすべて自分のものにされて。監督がおっしゃるには、ものすごい熱量でリハーサルとディスカッションを重ねて詰めていかれたということです。
加藤キャスター:
カメラ目線で「どうなんですか?」と迫る阿部さんがすごくかっこいいなと。この映画を見た後に、私もカメラ目線のいわゆる“ドヤ顔”みたいなのを自分の番組の中で意識するようになりました(笑)
主題歌を歌うPerfumeも出演?
吉田鋼太郎をはじめとする豪華実力派キャスト陣の競演も圧巻である。中でも桑原さんが惹かれた人物は、この人。

桑原さん:
井川遥さんです。シーンとしては少なかったと思うのですが、記者役の井川さんが出てリポートをするだけで、この人は本当に熱意をもって真実に迫り誠実に伝えようとしているなという人柄まで伝わってきてすごく良かったです。

加藤キャスター:
私は吉田鋼太郎さんが演じていた番組プロデューサーに惹かれました。昔ながらの業界人みたいなところが出ていて。役柄はいい人物ではないにせよ、ちょっと人間臭くて憎めないというか。
桑原さん:
ずっと緊張感が続く作品の中で、吉田さんの演技のおかげでメリハリがついてちょっとホッとするシーンもあったと思います。この作品に欠かせない役どころですね。

テレビ局のスタジオでリアルタイムにサスペンスが展開していくという娯楽映画の要素が満載。一方で、今の社会的テーマにもしっかり切り込んでいる。
そして映画の主題歌は広島県出身・Perfumeの「Human Factory -電造人間-」。
桑原さん:
Perfume本人たちもこの映画に出演とクレジットに表示されているので、どこに出てくるかなっていうのも楽しみにご覧いただきたいと思います。
加藤キャスター:
ただエンドロールで曲を流すだけじゃなくて、ちょっと仕込みがあるところが憎いなと。
桑原さん:
え?こんな出方なの?って思っていただけるはずです。
加藤キャスター:
これは最後まで見ないとわからないですから、ぜひ劇場で楽しんでもらいたいですね。
映画「ショウタイムセブン」は現在公開中。広島県内では109シネマズ広島、イオンシネマ広島、広島バルト11、福山エーガル8シネマズ、T・ジョイ東広島などで上映されている。
(テレビ新広島)