沖縄文化の研究家で首里城の復元などに貢献した鎌倉芳太郎(よしたろう)などに関する貴重な資料が13日、沖縄県立図書館に寄贈されました。
香川県出身の鎌倉芳太郎は、1921年、沖縄県女子師範学校の美術教師として赴任し沖縄の建築や工芸などを調査し首里城に関する資料は平成の復元の際にも大きな役割を果たしました。
13日、県立図書館に寄贈されたのは、日本で初めての学術財団法人「啓明会」が1925年に開いた「琉球芸術展覧会」の目録を記した冊子、それに鎌倉芳太郎や近代日本建築に大きな影響を与えた建築家・伊東忠太が研究費の助成を受ける内容が記された書類などです。
「琉球芸術展覧会」では琉球王国時代の美術工芸品などおよそ3000点が展示されていたと言われていて寄贈された冊子には、尚家から紅型を借りた記録も残されています。
これらを寄贈したのは啓明会の設立者の遺族から資料を譲り受けた作家の与那原恵さんです。
与那原恵さん:
鎌倉(芳太郎)や伊東(忠太)、伊波普猷の文字を実際に見て、自分たちが今守らなければならない、研究を深めなければいけない、そういう意思を強く感じました。琉球芸術展覧会に関しては大変おもしろい資料で、沖縄でいろいろ研究を深めていただけるのではないかと思った
大宜見勝美館長は「県民をはじめ多くの方々が活用できるようにしたい」と感謝しました。
寄贈された資料の一部は19日から県立図書館で一般公開される予定です。