13日の日本列島は、局地的に台風並みの暴風が吹き荒れた。東京・墨田区ではビルの足場が折れ曲がって危険な状態となり、埼玉県内のビルでも足場の倒壊が発生。交通機関も混乱し、「つくばエクスプレス」では乗客が線路を歩く事態となるなど、各地で被害が相次いだ。

各地で工事現場の足場崩れる事故発生

13日正午過ぎの東京・お台場では、あまりの強風に足元をふらつかせながら歩く女性や、電柱にしがみつく外国人観光客の姿もあった。時より立っているのが辛いほどの強い風が吹いた。
「ヤバい、マジでヤバい。ベビーカー倒れそう」とベビーカーを必死で支える女性の姿も見られた。

強風で電柱にしがみつく外国人の姿も(東京・お台場)
強風で電柱にしがみつく外国人の姿も(東京・お台場)
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13日は全国的に北風が強まり、各地に強風注意報が出されるなど、荒れた一日となった。

ビル側面の建物を覆う骨組みが大きく傾き、屋上には多くの消防隊員らの姿が(東京・墨田区)
ビル側面の建物を覆う骨組みが大きく傾き、屋上には多くの消防隊員らの姿が(東京・墨田区)

13日午後1時過ぎ、多くの消防隊員らの姿があったのは、東京・墨田区にある雑居ビルの解体現場の屋上。ビルの側面を見ると、建物を覆う骨組みが大きく傾いていた。

発生から5時間ほど経っていた時点で、防護シートと骨組みが道路側に大きく傾いていた。

現場は隅田川沿いにある“金のオブジェ”で知られるアサヒビール本社のすぐそばで、午前9時半頃、ビルを覆っていたシートが風に煽られて骨組みごとはがれ、道路側に崩れかかった。

工事現場の足場が崩れる事故は、各地で発生した。

埼玉・春日部市では数十メートルにわたり足場が崩れた
埼玉・春日部市では数十メートルにわたり足場が崩れた

埼玉・春日部市では、閉鎖した結婚式場の建物に組まれていた足場が、強風で数十メートルに渡って崩れた。
一部は道路に崩れかかり、道を塞いだ状態だった。

住民は「実は私もあそこで結婚式したんですよ。外に出たら、うちの農業用ハウスが飛ばされているような状態だったので。もうそれからずっと風が強い状態」と話した。

足場の崩落はさいたま市でも
足場の崩落はさいたま市でも

さいたま市で最大瞬間風速23.6メートルの“非常に強い風”を観測するなど、13日の埼玉県は台風並みの暴風となった。

崩れた足場は隣接するグラウンドにも散乱した。

トタン屋根吹き飛ぶ…砂ぼこりで一面茶色に

山梨・笛吹市では、2階建てアパートのトタン屋根が風で剥がれ落ち、周囲に木材などが散乱した。

アパートの住民は「怖かったってもんじゃないよ。半端じゃない。死ぬ思いだわ」と振り返った。

砂ぼこりに包まれた千葉・八街市の様子
砂ぼこりに包まれた千葉・八街市の様子

千葉・八街市では、強風で舞い上がった砂ぼこりで視界が一面、茶色に染まり、飲食店では、店の中にまで入ってくる砂埃に四苦八苦していた。

店員の女性は「隙間から細かい埃がすごい入ってくる。(デーブルを)5~6回繰り返して拭いてる」と話し、何度拭いても布巾には砂がついていた。

横浜市の桜木町では、ロープウェーが運休するなど、強風により首都圏などの各交通機関では、運転見合わせや遅れが相次いだ。

茨城・つくば市では、「つくばエクスプレス」の線路を乗客が歩く事態となった。

午前10時半頃、つくばみらい市の「みらい平駅」近くで、強風によりトタン屋根が線路上に飛来し、線路や電線を覆った。この影響で停電が発生し、一時全線で運転を見合わせた。

線路上を歩いて避難した乗客の一人は、「最初は10分くらいで動くかなと思ったんですけど、動かなすぎて焦りが大きかったですね、飛行機の時間があったので」と話、大阪に向かう予定が大幅に遅れたという。

現在は全線で運転を再開している。

週明けに再び最強寒波か

13日の風で、群馬・みなかみ町は吹雪となった。

吹雪の中リポートする宮本真綾アナ(群馬・みなかみ町)
吹雪の中リポートする宮本真綾アナ(群馬・みなかみ町)

宮本真綾アナウンサー(リポート):
こちら雪が風によって舞ってかなり目の前が霞んでいます。雪が顔を打ち付けて痛みを感じます。かなり強い風が吹いていますね。

連日の雪かき作業に追われる住民たちは、「18日からまた大きい(寒気)のが来るみたいですよね。本当に早く寒気が済んで欲しい」と、週明けに再び列島を襲う見込みの“大寒波”を警戒していた。
(「イット!」2月13日放送より)

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