今年1月、新潟市内に住む50代女性が、常温保管していた要冷蔵食品を食べたところ、眼のチカチカ感や嚥下困難感に加えて全身の麻痺症状が出るボツリヌス食中毒になった。市は真空パックなどで膨張、異臭のある場合は、菌が増殖している可能性があるので、絶対に食べないよう呼びかけている。
要冷蔵食品を常温保管 購入から2カ月後に喫食
ボツリヌス食中毒になったのは、新潟市に住む50代女性だ。
1月25日、新潟市内の医療機関から入院患者にボツリヌス食中毒を疑う旨の連絡が新潟市保健所にあった。 女性は1月21日午前1時ごろから眼のチカチカ感、口渇感、嚥下困難感、呂律不良を自覚し、午前5時ごろ、医療機関を受診。その後、症状が悪化したため、午前11時ごろに別の医療機関へ救急搬送された。

2月5日に国立感染症研究所で実施した患者血清および便の検査結果が判明し、C型ボツリヌス毒素陽性となった。 女性は意識があるものの、全身に麻痺症状があり、人工呼吸器を装着している。
新潟市保健所によると、女性は2024年11月ごろ、市内食料品店で容器包装詰の要冷蔵食品を購入し、自宅で常温で保管。その後、1月20日の正午ごろ、1人で食べたという。
また、食べる際には、ブルーチーズのような臭いや味がしていて、食餌性ボツリヌス症の一般的な潜伏期間内に他に疑わしい食品を接触していないことからこの食品が原因の食中毒であると判断した。
真空パックで膨張・異臭のある場合は食べないで
厚生労働省は、真空パックなどの密閉食品でも常温で放置しておくと、ボツリヌス菌が増殖し、命にかかわる食中毒の原因となることがあるため、適切な冷蔵保存や加熱調理をするよう呼びかけている。

「要冷蔵」「10℃以下で保存してください」などの表示がある場合は、冷蔵庫などでの適切な保存が必要になる。購入したら、すぐに冷蔵保存することが重要だ。
また、真空パックなどで膨張・異臭のある場合は、菌が増殖している可能性があるので、絶対に食べないほか、ボツリヌス菌が作り出す毒素は加熱により毒性を失うため、食べる前に十分な加熱を行うことも食中毒の大切な予防策だ。
ボツリヌス食中毒の症状としては、物が二重に見えたり、手足に力が入りにくくなるなどの神経症状が出る。放置すると呼吸困難などをおこして短時間で命にかかわる場合もあるため、症状が出た場合には、すぐに医療機関を受診することが重要だ。
(NST新潟総合テレビ)