フジテレビが27日、元タレント・中居正広氏の女性トラブルなど一連の問題について会見を行い、191媒体・437人の記者らが参加した。
「イット!」が会見で出た質問504問を分析、最も多い質問は中居氏のトラブルの経緯に関する114問で、次いで経営責任・進退、中居氏の番組起用継続に関する質問が多かった。
日付またぎ10時間24分に及んだ会見を分析
27日、中居氏の女性トラブルなど一連の問題をめぐるフジテレビの記者会見が行われた。

会見は参加メディアを限定せず、オープンな形式で時間無制限で行われ、10時間24分という長時間に及んだ。
191媒体・437人の記者らが出席し、延べ111人の記者から全部で504問の質問があった。
「イット!」ではその504問をあらためて分析した。
最も多かったのは、中居氏のトラブルの経緯で114問。
続いて経営責任・進退が50問、中居氏の番組起用継続が48問だった。
記者:
ーー中居正広という国民的スターだったから、そっちを守ろうということで特殊だったのではないですか?
フジテレビ・港浩一前社長:
そういう気持ちはありません。
中居正広氏の女性トラブルをめぐるフジテレビの2度目の会見は、午後4時に始まり深夜2時半前まで続いた。
記者:
ーー視聴者、社員へのメッセージをあらためてお願いできればと思います。

フジテレビ・港浩一前社長:
視聴者の皆さま、フジテレビは「信用回復」、「再発防止」、「企業風土の刷新」に向けて進み出しています。そして、何よりも働く社員の皆さんが一生懸命、自分の仕事をしてくれています。今回の事案で大変ご苦労をかけていますが、1日も早く、“明るい元気な楽しいフジテレビ”、そして視聴者の皆様に喜んでもらえるフジテレビを目指してほしいと思います。
記者:
ーーきょう、この壇上に清水新社長も含めていらっしゃる方は、この事件をいつどのような形で知ったのか、もう一度教えていただけませんか?
フジテレビ・嘉納修治前会長:
私は2024年12月の週刊誌報道、12月の下旬ですか。初めて知りました。
フジ・メディア・ホールディングス 金光修社長:
私も2024年12月の週刊誌報道で知りました。
フジテレビ・清水賢治新社長:
私も2024年12月の週刊誌報道で初めて知った次第です。

会見に出席したフジテレビ幹部らが、中居氏のトラブルを週刊誌報道で知ったと説明した。
質問の矛先は、トラブルの発覚直後に報告を受けていた港前社長に集中した。
記者:
ーー中居氏側からフジテレビに女性との間で問題があるという報告があったと先ほどあったが、いつのことか教えてください。
フジテレビ・港浩一前社長:
2023年の7月です。(当該女性の)様子がおかしいのに気づいて声をかけて、話を聞いたというのが発端です。それで、そういう中で話を聞く中で、警察ですとか中居氏の名前は出ていませんでした。
記者:
ーーどなたからの誘いで、当該女性が中居氏のマンションを訪れたのかというのは教えていただくことは可能でしょうか?
フジテレビ・港浩一前社長:
バーベキューのことですか?
記者:
ーーバーベキューではなく、人権侵害があったのではと思われる事案の日のことです。
フジテレビ・港浩一前社長:
特定日の?それは分からないです。
記者:
ーー中居氏に確認はされていないんでしょうか?
フジテレビ・港浩一前社長:
そこは、われわれはどういうふうに、そういう特定日の出来事が起こるに至った集合の仕方とかというのは、われわれは分からないです。
記者:
ーー調べていないのか、分かっているけど言えないのか、どちらでしょうか?
フジテレビ・港浩一前社長:
調べたけど、中居氏からの回答が…ちょっとうかつなこと言ってはいけないな。正式に申し上げます。中居氏に確認したが、守秘義務ということで開示されなかったということです。
記者:
ーー今の質問に関連して、女性側は社内での聞き取りに関し、何か当日誰に誘われたという話は聞けていないのでしょうか?
フジテレビ・港浩一前社長:
はい。
記者:
ーー港社長は当該女性にお会いしたことはあったのでしょうか?
フジテレビ・港浩一前社長:
数回…数回までいかないですけど、あります。
記者:
ーー一番最後に会ったのはいつだったんですか?
フジテレビ・港浩一前社長:
2024年の夏ですね、夏にお会いしました。残念ながら希望していた職場復帰はかないませんでしたが、ご自身の意思で仕事を離れるということで、あいさつに来てくれました。

女性とのトラブルについて、中居氏に行った聞き取りの詳細についても質問が飛んだ。
記者:
ーー最後にこの件で中居さんに聞き取りをしたのは、誰がされたんですか?結構な問題だと思うんですけれども、コンプライアンスの方がいらっしゃらないし、知っている人間はごく少数ということなので、結構な上の方が中居さんの調査に当たったのかなと思うが。
フジテレビ・港浩一前社長:
「ヒアリング」という言葉を使いましたが、話を聞いたという。ヒアリングの私の言っているイメージは、しっかりしたいわゆるイメージされる聞き取りの形ですけども、先ほど冒頭でも説明した中居氏のヒアリングという表現は、話を聞いたということですので、正式なヒアリングをしたという形ではありません。

続いて多かったのが、港前社長と嘉納前会長が辞任するに至った「経営責任と進退」をめぐる質問だった。
記者:
ーー嘉納会長と港社長に伺います。進退については先ほど伺ったが、実際にもう少し具体的に何の責任があって、どのような判断が問題として、今回の進退に至ったのか教えてください。
フジテレビ・嘉納修治前会長:
私の方は先ほども冒頭申し上げたが、そして一連の報道等に関連して、視聴者の皆さま方、そして広告主や広告会社の皆さま方、さらには取材先であるとか、出演者であるとか制作会社であるとか、幅広い方々に大変ご迷惑をおかけしたということで、会社として、私は責任者、代表取締役としての責任者でありますから、私がこの事案について、やはり責任を取るべきだという判断を致しました。
フジテレビ・港浩一前社長:
私はこのような事態になっている責任を大きく感じています。そもそもこの案件が私のところまで上がっていた案件でした。いろんな報告を受けながら、最善の方針を立てて進めてきた。その方針決定に私が関わっていたと、その2つが大きな責任だと思っています。
中居氏を番組起用続けた点にも質問が集中
また港前社長は、テレビカメラを入れずに行った前回の会見について、このように話した。

フジテレビ・港浩一前社長:
前回の会見をああいう形にしてしまったことは、メディアの信頼性を揺るがす、やってはいけない形式だと深く反省をしています。最終的な判断は私です。定例の記者会見という形を最終的に取りました。いろいろな議論はありました。カメラを入れた方がいい、オープンにした方がいいという議論もありました。ただ、女性のプライバシー保護ということがどうしても頭にあり、いろんな議論、いろんな意見があった中で、最終的に私がああいう形の定例記者会見の形を判断しました。大きな判断間違いだったと思っています。
大きな判断の間違いだったとして、港前社長は「辞任は早い段階で決めていた」と説明した。
フジテレビ・港浩一前社長:
ああいう形に最終的に判断したのも私ですし、今この状況になっているということの責任も大いにありますので、私は早い段階で辞任を心の中で固めていました。

そして、中居氏が司会を務めていた「だれかtoなかい」など、トラブル発覚後も中居氏を番組に起用し続けた点についても「48問」と質問が集中した。
記者:
ーー中居正広氏の起用を続けたことについてです。これも女性の保護を理由に、打ち切りの判断ができなかったと、これまで答えられてきたかと思います。なぜ中居氏の番組を打ち切るという判断ができなかったのか。女性の保護以外に理由があったのであれば、教えていただきたいです。
フジテレビ・港浩一前社長:
当初から中居氏の番組の終了のタイミングはずっと考えていました。そういう中で、女性のコンディションを常に意識していました。そういう中、健康を取り戻してきて、仕事を離れたいという希望を聞いて、それでやっと中居氏の番組の休止に向け、作業を大きく進めていったというのが実情です。
記者:
ーー女性に「自分が原因で番組を終わらせてしまった」と思わせるかもという刺激ですか?
フジテレビ・港浩一前社長:
そうですね。思わせるということですね。
記者:
ーーご本人からそういう旨の申し出があったんでしょうか?
フジテレビ・港浩一前社長:
具体的に中居氏の番組に関してのコメントは聞いていません。優先順位として女性のことを優先してやってきたということです。それで振り返れば、反省すべき点はあったというふうに考えています。

記者からは、“視聴率を取ることを優先して起用を継続したのではないか”などの追及を受ける場面もあった。
記者:
ーー番組を終わらせたくない、視聴率が取れるということで、女性への配慮というよりも視聴率を重視して番組を延ばしたい思いはなかったですか?
フジテレビ・港浩一前社長:
そういう思いを優先させたということはありません。
記者:
ーー正直なところ、数字が取れるという思いはなかったですか?
フジテレビ・港浩一前社長:
結果的に番組を作って数字は取りたいです。どの番組も。でも、この場合の優先順位は彼女。女性のコンディションによる影響の大きさということでした。
そして、トラブルをめぐるフジテレビ社員の関与についての質問も、38問寄せられた。
記者:
ーーこの事案だけじゃないんですよ。その前からの延長線上で考えて、(女性は)「非常に仕事のプラスになるんだ」ということを言われて、逆にそれを断るとマイナスになるというふうに考えるわけですよ。そこのところで、この被害女性は、中居さんの自宅に行ったわけですよ。ということは、この事案だけ、このきっかけだけじゃなくて、その前からの延長線上にあるんですよ。そういう認識は港浩一社長はお持ちじゃないんでしょうか?
フジテレビ・港浩一前社長:
はい。 まず、女性と中居氏の関係性については、仕事上での面識はありました、ということがあります。そして、事案が起きて相談をしたのではなくて、(女性の)様子がおかしいので、こちらの社員が声をかけたというのが発端になります。
そして、われわれがA(社員)が特定の日に関係がないというふうに判断したのは、さまざまなヒアリングや通信履歴の確認、中居氏へのヒアリング等を通して、特定の日にA(社員)は関係していなかったという、いわば限定的な日付の出来事に対して、A(社員)は関与していないと表明をしました。
追及を受けたのは、どのような調査を経て、“フジテレビは社員がトラブルに関与していない”と判断したのかについてだ。
記者:
ーー今回もあらためて、当該する社員Aや中居氏への報告ややり取り、そして通信履歴を調べたという結果のみで、一切関与していないと断定をされました。本当に十分な調査をしたうえでの発言だったのか、適切・適当な発言だったのかと今でもお思いでしょうか?
フジテレビ・港浩一前社長:
当該日に関しての履歴・ヒアリング、これは確かに女性側のヒアリングが欠けているというところはあるかもしれませんが、 当該社員と中居氏のヒアリングと履歴を精査した結果、これは関与していないと信じるに足るというふうに思っております。
記者:
ーー「一切関与していない」というものと、「関与していないと信じる」ではだいぶ重みが違うかなと思いますが。
フジテレビ・港浩一前社長:
そしたら私の言い方が間違えました。関与していません。当該日です。その限定のお話です。
会見では、港前社長が「社員は関与していない」と繰り返した。
記者:
ーーA氏は関与しているんですか、関与していないんですか。
フジテレビ・港浩一前社長:
関与していません。
1度の休憩を挟み、フジテレビの2度目の記者会見は日付をまたいで10時間24分に及んだ。
(「イット!」1月28日放送より)