中居正広氏とフジテレビを巡る問題を報じてきた週刊文春が、一連の報道を続ける中で、重要な部分を訂正した。
専門家は、「これは問題だと思います。しれっと差し替えていいんですか」と厳しく指摘した。
文春側は取材に対して「(編成幹部)A氏が件のトラブルに関与した事実は変わらない」とコメント。
一方、フジテレビは「当初より一貫して主張してきた。今後は第三者委員会の調査に委ねる」とした。
文春が最初に報じた「A氏が誘った」を訂正
週刊文春がこの問題を最初に報じたのは、2024年12月26日発売の新年特大号(週刊文春1月2/9日号)だった。

報じられていたのは、被害女性が食事に誘われた際の状況を聞いた知人の証言。

この知人は、X子は中居さんとA氏を含めた大人数で、食事しようと誘われていたとし、彼女は乗り気ではなかったものの、「Aさんに言われたからには断れないよね」と参加することにした、と証言している。
つまり、問題が起きた食事会に、フジテレビの社員とされる「A氏が誘った」と報じていた。

ところが、週刊文春1月16日号の第2報では、被害女性の知人の証言として、あの日、X子は中居さんから「A氏を含めた大人数で食事しよう」と誘われていた、と報じている。

つまり、当初、第1報で「A氏に誘われた」としていた部分が、第2報では「中居氏から誘われた」と重要な部分を訂正していたのだ。

週刊文春はこの件について、フジテレビが会見を行った日と同じ27日、電子版で「その後の取材成果を踏まえ修正した」と説明。そして、28日、お詫びした上でホームページ上に公開した。

記事の訂正に対する週刊文春の対応について、桜美林大学の西山守准教授は、次のように指摘する。
桜美林大学・西山守准教授:
これは問題だと思います。
文春はこれだけ大きな問題になっている事案に対して、フジテレビに対して誤報やりました。
こんなに大きな問題になっているのに、しれっと差し替えちゃっていいんですか。
私はそれを問いたいです。

文春のインタビューを受けていた、橋下徹弁護士はこの件を指摘していた。
橋下 徹弁護士:
大きな前提事実の変更があったことなので、しっかりと事実訂正を大きく報じて、僕は謝罪すべきだということを文春に伝えました。そうしたら、僕のインタビュー記事の最後に、訂正の経緯は書いてるんですが、(有料の)電子版で多くの人の目に触れていないので、これは問題だなと思いますよね。
一方、今後のフジテレビについてはこう話した。

橋下 徹弁護士:
全くフジテレビ社員が関与していなかったと堂々と言えるかは、第三者調査の結果によると思うんですよね。
いくら当事者のトラブルであろうが、なんであろうが、社として問題だということになれば、社内の一部門で把握して、情報共有にとどめるんではなくて、必ず(社の)コンプライアンス部門に情報共有を徹底しないといけない。
文春「A氏が件のトラブルに関与した事実は変わらない」
フジテレビの取材に対し文春側は、被害女性への取材で、「『Aさんがセッティングしている会の“延長”だったことは間違いありません』などと応じていることなどから、『A氏が件のトラブルに関与した事実は変わらない』」としている。
週刊文春が記事の内容を一部訂正したことについて、フジテレビは28日午後、「当初より一貫して、当該社員は食事会の設定を含め一切関与しておりませんと主張し、発行元に対してもその旨を伝えておりました。今後は第三者委員会の調査に委ねてまいります」とコメントしている。
(「イット!」 1月28日放送)