2024年末から続いた寒波の影響で、蔵王のシンボル「樹氷」がすでに見頃となっている。冬の蔵王は海外からの人気も高く、1月20日も多くの観光客が訪れていて、幻想的な風景を堪能していた。
「壮大な感じがして来て良かった」
ロープウェーの蔵王山麓駅は、平日にも関わらず朝から多くの観光客でにぎわっていた。ロープウェーを乗り継ぎ、標高1661メートルの山頂にある地蔵山頂駅に向かうと樹氷が大きく成長している様子がわかる。

1月20日午前10時ごろの山頂付近の気温は、氷点下10度前後。
かなりの寒さだったが、これでも普段よりは気温が高いため、あいにく濃い霧がかかっていた。それでも樹氷に近づくにつれ、大きく迫力のあるスノーモンスターを見ることができた。

京都から来た女性は「下では天気だったのに上は霧がひどくて。でもゴンドラからはきれいに見られて良かった。久しぶりの銀世界で、壮大な感じがして来て良かった」とうれしそうに話した。

蔵王ロープウェイ地蔵山頂駅・加藤佑介助役は「ことしは早い時期から寒かったのと大雪の影響で、この時期としては樹氷が大きく成長している」と話す。

今シーズン1番の晴れの天気となった1月19日は、見渡す限り真っ白な樹氷が連なる幻想的な風景が広がっていた。

ここ数年はアオモリトドマツの立ち枯れや暖冬が影響して、本来の姿とはならなかった樹氷だが、今シーズンは度々の寒波で順調に成長。いつもの年より約2週間早く見ごろを迎えている。
春節の訪問先・人気急上昇1位の山形
1月19日・20日と連日スキーに訪れた兵庫からのグループは「これで3回目。きのう(19日)の樹氷は最高だった」「白と空の青のコントラストがすごくいい感じ。樹氷・モンスターが青空に映える、いいなと思いながら見た」と話し、樹氷を眺めながらスキーを楽しんだ様子。

加藤助役は「“蔵王の誇り”を感じられる樹氷なので、多くの客に見てもらいたい」と期待を込める。

樹氷の見ごろは2月いっぱいと見込まれ、2月1日には恒例の“蔵王樹氷まつり”が行われる。
冬の蔵王は海外からの人気も高く、この時期はロープウェーの利用客の約8割が外国人観光客だそう。間もなく迎える中華圏の旧正月「春節」に向けて、その人気はさらに高まっている。

オプショナルツアーの専門サイト「KKDAY」が予約状況をもとに発表したランキングを見ると、2025年の春節に日本を訪れる観光客の中で、訪問先として「山形県」の人気が急上昇しているという。

特に蔵王の樹氷と銀山温泉、そして宮城・蔵王キツネ村を周遊するバスツアーが人気で、予約数が前の年の2倍以上。ノスタルジックな景色がSNSで拡散されたことで、今や「一度は行きたいスポット」の1つとなっている。

蔵王の樹氷は2025年、特に見応えがありそうなので、外国人に限らず改めて訪れてみてほしい。
(さくらんぼテレビ)