ガソリン価格です。政府の補助金が12月に続き縮小され、あす1月16日以降、再び値上げが予想されています。1月15日、「駆け込み給油」する人が多くいましたが、全国一高い長野の現状にため息を漏らしていました。特に高いのが木曽地域で隣接する岐阜県の平均価格と比べると1リットルあたり15円ほど差があります。価格高騰で家計への負担が増す中、県をまたいで給油する「越県給油」の動きも続いています。
■値上げ前に「駆け込み給油」
長野市のガソリンスタンドに次々と客が訪れます。
客:
「あした値上がりだということで、きょうは満タンにしたいと」
値上げ前の「駆け込み給油」です。
ガソリン価格の高騰。12月19日に政府の補助金が縮小され、1リットルあたり5円程度値上げされました。
1月14日時点の長野県のレギュラーガソリン価格は190.6円、全国平均に比べ約10円高く、22週連続で全国最高値となっている。隣県と比べると、愛知県より15円以上高くなっている。
政府の補助金は16日更に縮小されます。これに伴い16日以降、再び5円程度の値上げが予想されています。
「駆け込み給油」した人はー
客:
「日本一(高い)ですよね、きついです、すごくきついです」
「毎日使うのものだからガソリンはほかのもので削っていかないとと思います」
■店側はクーポン発行などで工夫
こちらのスタンドでは1月17日に3円から5円程度の値上げを予定。クーポンの発行や特売日で消費者の負担を少しでも少なくしたいとしています。
長野北セルフSS 清水剛史所長:
「なかなかここまでの値上げは最近なかったので、客に負担・迷惑をかけてしまうが、致し方ないことで、心苦しいんですが値上げする。きょうあすとあるので慌てずに入れていただければ」
■長野から岐阜へ「越県給油」も
一方、長野県内でも平均価格が特に高いのが木曽地域です。中山間地で販売量が少なく、経営維持のために価格を上げているのが主な要因とみられ、隣接する岐阜県の平均価格と比べると1リットルあたり15円ほど差があります。
価格高騰で家計への負担が増す中、県をまたいで給油する「越県給油」の動きも続いています。
■木曽地域の多くは190円台後半
木曽地域の国道19号。1月13日、沿道のガソリンスタンド(上松町)を見てみるとー
記者:
「レギュラーガソリンの価格は、198円となっています」
大桑村のガソリンスタンドでも198円。多くのスタンドが、レギュラー1リットルあたり190円台後半で販売していました。
■岐阜・中津川市では170円台も
そのまま岐阜県中津川市へ行くとー。
記者:
「レギュラーの価格は184円と木曽地域よりも安くなっていることが分かります」
180円台で販売しているところが多く、中には170円台の表示も。
県境から10キロほどの場所にあるこちらのガソリンスタンドも、レギュラー1リットルあたり181円で販売していました。木曽地域の平均と比べると1リットルあたり14円の差があり、仮に30リットルを入れれば、差額は420円にもなります。
■「安い方がいい」長野県から給油
給油する車を見ると、「松本ナンバー」の車も続々と訪れていました。いわゆる「越県給油」です。
南木曽町から60代:
「木曽は高いので、入れたくないです。やっぱり安い方がいいですね」
南木曽町から70代:
「こっち来るついでに、いつも寄っています。わざわざ見える人もいますよたくさん」
新栄石油SS課長 後藤慎平さん:
「もちろん地元住民の方々がほとんどにはなるんですけど、長野県から来られるお客さんも多くいらっしゃいますし、やっぱり安いという風に、おっしゃっておりまして」
■「越県給油」にスタンドは複雑
レギュラーの店頭価格が全国で最も高い信州。「越県給油」の動きは新潟県境など他の地域でも以前から見られ、価格高騰で家計の負担が増える中、依然として続いています。
今後も値上げ予想されるガソリン価格。中津川のガソリンスタンドからすると、県境での価格差によって来客に繋がっている側面はありますが、店の人は複雑な心境です。
新栄石油SS課長 後藤慎平さん:
「コスト的に上がってきているので、値段の転換しないとガソリンスタンドとしても維持が出来ないのかなと思います。何かあった時に頼りになるのが、ガソリンスタンドだと思っていますので、もちろん長野県内で給油していただいて、インフラの拠点としての維持をしていただくことも重要だと私は思っています」
長野県は1月16日、石油商業組合と意見交換して高値の要因の分析を行い、支援策や国への要望などに生かしたいとしています。