奈良公園でごみのポイ捨てが増え、そのごみをシカが食べてしまう問題を受け、奈良県は新型のゴミ箱を設置する実証実験を始めた。
■【動画で見る】死んだ鹿の「胃の中」にプラスチックの塊 奈良公園で増える『ポイ捨て』
■奈良公園に「スマートごみ箱」を設置

奈良公園に設置されたのは、「スマートごみ箱」。
ゴミが溜まると自動的に圧縮され、容量に対しおよそ5倍のゴミを収容することができる。
なぜ「新型のごみ箱」を設置?
■外国人観光客の増加とともにごみのポイ捨ても増加 死んだシカの胃の中にはプラごみが4.3キロ

今からおよそ40年前…奈良県は、家庭ゴミの持ち込みや、シカがあさるのを防ぐため、公園のゴミ箱を撤去。
以来、長年に渡り職員や市民などが清掃を続けてきた。
しかしここ数年、外国人観光客の増加とともにごみのポイ捨てが増え、シカが食べてしまう問題も増えているのだ。
最近の調査では、死んだシカの胃の中にプラスチックの塊がたまっているケースも多数、確認。
ポリ袋などの大量のごみとみられ、重さは最大で4.3キロもあった。
■「シカがあさるのでは?」と反対の声も

今回の「新型ごみ箱」の設置に観光客は…。
観光客:あった方が便利は便利。
観光客:不便だけど、あったら(ごみいっぱいに)なるかなと思うと、今の感じでうまくいっているなら、なくてもいいのかなと。
観光客:(ごみ箱設置は)シカにとっては良くないので、シカ対策さえしっかりしてもらったらいい。
昔のように「シカがあさるのでは?」と反対の声もあり、県はゴミ箱の投入口をシカが開けられないよう“密閉型”にするなど、対策をしているとのことだ。
■ごみがなくなることがゴール 1カ月程度で効果を検証

奈良県 竹田博康観光局長:ごみがなくなること、ごみを持ち帰ってもらうことがゴール。プラスチックごみを食べて、シカが死んじゃってるんですよと、ごみをなくそうという気持ちになってほしいメッセージを送っている。
「スマートごみ箱」では、ごみが捨てられた時間帯や種類も把握でき、奈良県は今後1カ月程度で効果を検証することにしている。
(関西テレビ「newsランナー」2025年1月14放送)