アメリカのニューヨーク・タイムズが「2025年に行くべき52カ所」を発表。世界各地の魅力がある都市が選ばれているが、今回の注目はやっぱり「富山市」。どんな魅力があるのか緊急取材した。

地元でも知る人ぞ知る“穴場エリア”の店も紹介

アメリカのニューヨーク・タイムズが、世界各地の旅行先の中から選んだ「2025年に行くべき52か所」を発表した。

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その30番目に日本の「富山市」が選ばれた。

外国人観光客の急増で、東京や京都など人気の観光地ではオーバーツーリズムが深刻化。

そうした中、北陸新幹線で東京から2時間余りで行ける“富山の魅力”を、ニューヨーク・タイムズは「混雑を避けながら、文化的な感動とグルメを楽しめる」などと評価した。

一方で、地元市民は戸惑っていた。

富山市民:
喜ばしいことだと思いますけど…(富山の)おすすめって言ったらどうなんでしょう、よく分からない。

そうした声をよそに、ニューヨーク・タイムズの記事では富山市にある“お勧めスポットの数々”が紹介されていた。

富山市ガラス美術館 北川仁美副館長:
本当に突然のことで、予想もしていなかったことなのでとても嬉しく思います。

建築家の隈研吾氏が手がけた“ガラスの街とやま”を象徴する「富山市ガラス美術館」や、毎年9月に行われる伝統行事「おわら風(かぜ)の盆(ぼん)」のほか、観光には欠かせない地元“富山グルメ”の店もあった。

地元に愛される「富山おでん」とワインを1年を通して楽しめる人気の居酒屋「飛騨」。

さらには、レトロ感漂う店内で、個性的なスパイスカレーが味わえる大人気店「スズキーマ」も紹介されていた。

カレー「スズキーマ」店主:
寝耳に水でびっくりしました。いきなり電話がめちゃくちゃ着信とか入ってた状態で、後からゆっくり噛みしめたいなと。

今回、ニューヨーク・タイムズが“おススメの店”として挙げた店舗は、富山駅から1kmほど離れた「富山城の南のエリア」に集中。
この辺りは、地元でも知る人ぞ知る“穴場エリア”なのだという。

富山市観光協会の担当者:
観光案内でお店を紹介するときにこういったお店って出てこない。コアな店を(なぜ外国の)記者が知ってるんだろう。

店内を鉄道模型が走るレトロな老舗喫茶店も記事で紹介され、店主は驚きを隠せない。

ブルートレインの店主:
ニューヨーク・タイムズなんて大新聞社だからびっくりしました。
――外国人客は?
中国の方はスマホで日本語で翻訳して、「あなたの店は素晴らしくて、ありがとう」っていうのをみせてくれたり、何人もいる。

外国人観光客にとって富山と言えば、これまでは金沢や飛騨高山など“周辺観光に向かうための拠点”という側面が強かったようだ。

オランダ出身の男性:
富山、実は・・・ヨクワカラナイ。

そんな富山が、“今年行くべき旅行先”に選ばれたことを専門家はこう見ている。

旅行アナリスト 鳥海高太朗 さん:
日本らしさがありつつ、まだ多くの人に知られていない、そういった「隠れ家スポット」。こういったところを毎年選出しているという部分で、今回は富山が選出されたと思う。

SNSにも、地元から上がった驚きと喜びの声が溢れていた。

「富山がついにニューヨーク・タイムズに見つかってしまった!」
「みんな、富山にこられ~」

大阪市の再開発区域を“革新的”と評価も

さらに今回、38番目には「大阪市」が選ばれた。
記事では4月に開幕する「大阪・関西万博」を紹介。

また2024年に一部が開業したJR大阪駅北側にある再開発区域「グラングリーン大阪」を、“革新的なプロジェクト”と評価している。
(「イット!」 1月8日放送より)