2024年も残すところ、あとわずかだが、「サラリーマンの聖地」東京・新橋に今、異変が起きていた。
コロナ禍も乗り越えてきた名物店も忘年会の団体予約が激減し、移転の決断を迫られていた。
年の瀬の“飲みニケーション”の変化が加速
東京・新橋は忘年会シーズン最終盤のはずだが、聞こえてきた声は…。
20代:
(忘年会)しないかも。
20代:
ことしはなかったですね、忘年会は。
最近は忘年会やってないことが多いかもしれないですね。
60代:
昔は(忘年会)ありましたけど、今はないですね。やっぱみんな忙しいから。

年の瀬の“飲みニケーション”に起きている変化が加速しているという。
コロナ禍を乗り越えてきた名物店も…
お店を取材したところ、驚きの光景があった。

新橋に店を構える居酒屋「根室食堂」。
緊急事態宣言が発令され客足が激減したコロナの時期も乗り越えてきた名物店だが…。

新鮮さがウリのお刺身を運んだテーブルは、この時期なのに1人。
しかもお酒なしの利用客だった。
店主もショックを受けていた。

根室食堂・平山徳治店主:
いや、ことしは(客が)少ないですね。例年の半分下回ってるんじゃないかな。なんか時代が変わったのかな。「忘年会」という言葉が、本当にもう時代遅れのそういう話の流れになっていくんじゃないかなと。
2024年は団体客の予約が激減していて、予約のカレンダーには「2名」や「3名」の文字が目立つ。

最近では、こうした少人数やお酒なしでの利用が増えているという。
忘年会「やらない・行かない」が7割近くに
街で働く人たちに聞くと…。
20代:
いつでも会えるしと思っちゃって、“忘年”するって文化が消えちゃってますね。
60代:
昔は忘年会とか、常に参加してましたけど、自分の時間もやっぱ大切にしたいので、あまり飲む方には時間は使わない。
60代:
前と違うのかな、みんなの気持ちが。

全国の20歳から69歳の男女に行った忘年会に関する調査では、「やらない・行かない」と答えた人が7割近く(65.9%)にのぼっていた。
(クロス・マーケティング「忘年会に関する調査」より、調査期間12月6日〜8日)
その波は、飲食店を直撃している。
18年以上、“サラリーマンの聖地”で営業してきた「根室食堂」の店主も、新橋と別れる決断を迫られていた。

根室食堂・平山徳治店主:
この新橋をやり続けていくか、それとも別に移るべきか、もう本当に岐路に立ってますね。この先、やはり生活習慣も変わってきたら、僕ら居酒屋業界も変わっていかないと生き残れないですよね。

コロナを耐え切ったあとに待っていた、“忘年会離れ”という新たな壁。
根室食堂・平山徳治店主:
そろそろ潮時かな。悔しいですけどね。笑ってんのも今のうちかな、もうここを閉めるしか方法がないのかもしんないけどね。
(「イット!」12月27日放送より)