佐賀県の上空で空覆うほどの大量の鳥の群れがカメラに捉えられた。約1000羽いたとみられる鳥の正体は「トモエガモ」という冬の渡り鳥で、温暖化の影響で県内にも現れるようになったという。専門家によれば、絶滅危惧種にも指定されている貴重な鳥類だという。

上空でうごめく…黒い影の正体は「トモエガモ」

佐賀市の上空で19日に撮影された、空を埋め尽くすように飛び交う黒い影は、約1000羽もの鳥の群れだった。

真相を確かめるべく、同市内で25日午後5時過ぎ、FNNは専門家と共に鳥の群れが撮影された現場を緊急取材した。

上空を飛ぶ黒い何かを見つけた宮原さん
上空を飛ぶ黒い何かを見つけた宮原さん
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日本野鳥の会・佐賀県支部長の宮原明幸さん:
あれ何かな?あの早さはカラスじゃない!

巨大な鳥にも見えた黒い影
巨大な鳥にも見えた黒い影

カメラを向けると宮原さんの目線の先には、なんと空を帯状に移動する数万羽の鳥の群れがいた。群れは形を変え、まるで1羽の巨大な鳥のように見える場面もみられた。

顔に巴型の模様があるのが特徴…絶滅危惧Ⅱ類に選定

飛んでいた鳥たちについて宮原さんは、「今(の時期に)考えられるのはトモエガモというカモなんですけどね」と語る。

飛んでいたのは顔に巴型の模様が見えることから 「トモエガモ」 と名付けられた、渡り鳥だった。

本来佐賀県では見られなかったトモエガモ(提供:日本野鳥の会 佐賀県支部 加藤さん)
本来佐賀県では見られなかったトモエガモ(提供:日本野鳥の会 佐賀県支部 加藤さん)

「トモエガモ」は日本海側の地域を中心に飛来する冬の渡り鳥だが、最近は温暖化の影響もあり、佐賀県内でもその姿を見ることが増えたという。

しかし、専門家である宮原さんでさえ、「あんな数が飛んでるのは私も初めて見ます。びっくりよね」と驚く。

これだけの数が空を羽ばたいているものの、トモエガモは「絶滅危惧Ⅱ類」に選定され、絶滅の危険が増大しているという。
(「イット!」 12月26日放送より)

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