百貨店やスーパーが、正月営業を取りやめる動きが広がっている。従業員の働き方への配慮や人材確保が主な理由で、一部では正月三が日休業を導入。利用者からは不便を感じる声も上がる一方、理解の声も聞かれた。
働き方への配慮で休業へ…4連休のスーパーも
クリスマスも終わり、年末年始モードに突入した。お正月の風物詩といえば初売りだが、百貨店やスーパーなどでは「年末年始休まず営業」から、「お正月はしっかり休む」という動きが広がっている。

26日のテーマは「元日営業ゼロ しってる?」だ。
遠藤玲子キャスター:
昭和の時代は、元日から多くの人が百貨店に並び、福袋に手を伸ばす姿が新年の風物詩でした。平成に入っても、その活気は変わりませんでした。
そんな元日の光景が、2025年から見られなくなります。都内の大手百貨店では、2024年まで一部で元日営業をしていましたが、2025年からは全て元日はお休みになるということです。
さらに、大丸松坂屋や高島屋では2025年から休業日を1日増やし、元日と2日がお休みになります。いずれも20年以上ぶりの正月2連休です。その大きな理由は従業員の働き方への配慮、そして人材の確保だと言います。高島屋の従業員の方に話を伺いました。

食品売り場担当・井上悠乃さん:
ゆっくり全員で過ごせるのは初めてなので、楽しみにしています。
遠藤キャスター:
夫婦で高島屋に勤める井上さんです。育児中のため、2024年は井上さんが2日に休暇を取り、夫は早朝から勤務。そのため例年、ゆっくりお正月を過ごすことはできませんでした。
食品売り場担当・井上悠乃さん:
ママはいるんですけど、パパがいるのはうれしいと思います。やっぱりママかパパ片方より、家族全員の方が子供も喜びます。

遠藤キャスター:
例年初売りは、1年で一番の売り上げとなりますが、それでも従業員の働く環境を優先することになりました。一方で、初売りを楽しみにしているお客さんはどうでしょうか。
60代:
やっぱり働いてる方は年末年始大変なので、家族がいる方は2日までお休みというのはいいのではないでしょうか。
遠藤キャスター:
こうした動きはスーパーにも広がっています。東京・墨田区のスーパーでは、2023年までは年中無休でしたが、2024年は正月三が日を初めて休みにしました。そして、2025年はどうなるのでしょう。
スーパーイズミ・五味徹社長:
年始は、5日からですね。
記者:
なぜ1日延ばされたんですか?
スーパーイズミ・五味徹社長:
今働く人が足りなくて。無理してみんなやっているので、今回ローテーションを組むのが大変で1日休むようにしました。

遠藤キャスター:
人材確保の厳しさが理由で、正月の休みを増やしたと言います。ただ、日常生活に欠かせない存在のスーパーの休業に、利用者からは困惑の声も聞こえてきました。
30代:
スーパーが開いてなかったら外食かコンビニで済ませるしかないので、ちょっと急な時に困り
ますよね。開いてないと痛いです。
40代:
ちょっと不便は感じますけど、皆さんのお休みを考えると良いのかなと思います。
大手スーパーの休業日は?イオンなどは休まず営業
青井実キャスター:
働いている皆さんもいらっしゃいますので、浸透していけばいいですね。

遠藤キャスター:
徐々に浸透はしてきています。夫婦で高島屋に勤めているという井上さんは、2024年のお正月は前日まで福袋の準備して、お父さんは早めに元日は就寝しなければいけないので、お酒もほどほどにしていました。
2日は朝6時から出社し、夫婦どちらかしかいられないという状況でした。しかし、2025年のお正月は変わります。福袋の準備はありますが、元日と2日、家族全員で過ごせるようになります。
青井キャスター:
ゆっくりお年玉をあげる時間もできるし、家族の時間が過ごせそうですね。

遠藤キャスター:
そして気になるスーパーの営業日です。年末年始、ライフやサミット、オーケーストアなどの食品スーパーは、三が日は休業するということです。総合スーパーイオンは休まず営業します。イトーヨーカドーは1日、2日と一部休業はありますが、ほとんどの店舗で営業するということです。
31日までは全て営業しているので、皆さんは計画的に31日までに買い物を済ませていただきたいと思います。
宮司愛海キャスター:
こういった業種以外にも、休まず働かれてるエッセンシャルワーカーの方ですとか人の命を預かるような方もいらっしゃいますからね。改めて感謝の気持ちも持たないといけないと感じます。
青井キャスター:
パックン、アメリカは休んだりするんですか?
SPキャスターパックン:
アメリカは、基本的に31日の後半は働かないです。早退して1日以上は休むんですけど、日本の方が、元日が縁起物みたいな「初〇〇」というのがすごく重要視されるんですけど、3日にやっても初売りは初売りじゃないですか。僕はだいたい初詣は3月くらいに行きますよ。文化を少しシフトして、休ませてあげたいなと思いますね。
青井キャスター:
それが根付くと良いということですよね。
今、利用者と従業員の目線の両方で狭間なところがあるかもしれないが、長い目で見たら従業員目線の働き方改革で文化として根付いてもらいたいところだ。
(「イット!」12月26日放送より)