DMMビットコインから482億円相当の暗号資産が流出した事件で、捜査したアメリカのFBI(連邦捜査局)や警察庁などによると、北朝鮮のサイバー攻撃グループが盗んだ疑いが判明した。
従業員の端末にウイルスを感染させ、盗み取った資金が軍事開発に使われるおそれがあるという。
サイバー攻撃グループ「トレイダートレイター」が盗む
「DMMビットコイン」の暗号資産流出事件で、北朝鮮のサイバー攻撃グループが盗み取った疑いがあることが分かった。

暗号資産の交換業を行う「DMMビットコイン」は2024年5月に、482億円相当の暗号資産が流出したとして警視庁に相談していた。
捜査したアメリカのFBIや日本の警察庁などは、北朝鮮のサイバー攻撃グループ「トレイダートレイター」が暗号資産を盗み取った疑いがあると判断した。
警察庁によると、「トレイダートレイター」によるサイバー攻撃の被害が、国内で確認されるのは初めてだという。
ビットコインが高騰…20倍近い価格に
ここからは、フジテレビ・立石修解説委員室長が解説する。
宮司愛海キャスター:
ーービットコインとは、「国や中央銀行が発行していない」ネット上の仮想通貨で、その代表的なものです。日本でも大手家電量販店などで決済できる店もあるということです。この仮想通貨は、トランプ氏が大統領選で勝利してから価値が急上昇していますよね?

フジテレビ・立石修解説委員室長:
トランプ氏とタッグを組むイーロン・マスク氏も仮想通貨を後押ししていて、世界的に価格が上がっています。日本では5年前の12月は、1ビットコイン=約80万円だったものが、現在は約1470万円。20倍近い価値の上昇が見られます。乱高下の可能性も指摘されますが、投資活動をする人たちの間では話題になっている注目の商品です。
宮司キャスター:
ーーそのビットコインを狙ったのが北朝鮮のハッカー集団ということですが、どうやってDMMから盗んだのでしょうか?

立石解説委員室長:
北朝鮮のサイバー部隊はリクルーターを装って、DMM側が委託した暗号資産管理会社の従業員に接触します。従業員に採用試験を装った不正プログラムを送り、従業員の端末をウイルスに感染させます。そこから得た情報で従業員になりすまし、DMM側からビットコインを北朝鮮のサイバー攻撃グループの管理するアドレスに送らせました。非常に手の込んだ犯行です。

宮司キャスター:
ーー北朝鮮が狙っているのは、日本だけではないですよね?
立石解説委員室長:
2023年は各国で20の事件を起こしていて、約950億円の仮想通貨を盗み取っています。2024年に入ってからは、47件の事件で約2100億円と被害額は倍増しています。
北朝鮮が制裁を受ける中、仮想通貨の盗み取ることを重要な資金源と見ていて、ミサイルなどの開発に悪用されるおそれがあります。
宮司キャスター:
ーー今回は従業員が狙われたということで、対応が難しいですよね?
スペシャルキャスター・山口真由さん:
最終的には従業員のリテラシーに関わる部分もあると思いますが、この資金というのはミサイル、核開発に使われていて、東アジアの安全に大きく関わる部分ですので、ここも国家的な対応が必要かなという気はします。
宮司キャスター:
ターゲットが変化しているというニュースでした。
(「イット!」12月24日放送より)