厚生労働省が、2022年の「健康寿命」を発表した。
医療環境の改善や情報普及により、高齢者の“不健康期間”が短縮し、不健康期間は男性が約8カ月、女性は1年以上短くなっていることが分かった。
専門家は、運動や睡眠の習慣化が重要だと指摘する。

「頭を使うようにしています」健康に対する意識が向上

健康上の問題がなく、日常生活を送れる期間「健康寿命」。
厚生労働省が公表した最新のデータによると、高齢者がますます健康になっていることが分かった。

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24日のテーマは、「ニッポンの健康寿命ますます長く。なぜ?」だ。

宮司愛海キャスター:
ーー厚労省が24日に発表したのは、2年前の2022年の「健康寿命」です。ますます健康になっているということですが、街ゆく高齢者の皆さん、何か努力していますか?

79歳:
カラオケと恋をすること。それから仕事。それだよ、若さは。

93歳:
偶然座ったら、この方も隣に座った。

90歳:
初めて会ってもお友達みたいに話せるのが秘訣(ひけつ)。

83歳:
手話を使ったダンスで、頭を使うようにしています。

宮司キャスター:
ーー皆さん、さまざま工夫していらっしゃいますね。山口さんは健康でいるために気をつけていることって何かありますか?

スペシャルキャスター・山口真由さん:
最近風邪を引きやすくなったので、大好きだったお酒を約5カ月控えています。でもまた風邪引いてるので意味ないかな。

宮司キャスター:
人にそれぞれあった健康法がありますからね。最新の健康寿命を平均寿命と比べると、どんな差があるのでしょうか。まずは「平均寿命」から見てみます。

2022年はコロナの影響もあり、男性も女性も前回の2019年と比べて短くなっています。続いて「健康寿命」は、前回と比べて男性は短くなり、女性は延びています。2つの差は、健康上の問題が起きて日常生活に支障が出てから、寿命を迎えるまでの期間になります。

20年前と比べて、「不健康な期間」が、男性が約8カ月、女性は1年以上短くなっているんです。なぜ「不健康な期間」が短くなっているのでしょうか。

ニッセイ基礎研究所主任研究員・村松容子さん:
約20年前と比べて、今の高齢者は医療環境が良くなったことや、健康に関する情報がたくさん出てきていることで、自分たちで健康状態の改善に努められる時代になっているのかなと思います。

宮司キャスター:
スマホなどの普及によって、健康に対する意識が高い高齢者が増えているといいます。健康のために必要なことの1つとして、国が定めているのが「運動」です。65歳未満の方は、できれば1日「8000歩」、65歳以上の方は「6000歩」の運動が目標です。街では歩数計を持って歩く男性もいました。

86歳:
(1日)約7000~8000歩く。今出てきたばかりで、朝少し歩いてきました。

60歳以上は6時間から8時間…重要なのは「睡眠」

宮司キャスター:
ーー「イット!」が出会ったのは、84歳と90歳の姉妹。お元気です。健康のために何をしているんですか?

妹:
社交ダンスです。

宮司キャスター:
社交ダンスの様子を見ると、華麗なターンも決まっていますね。動きもしなやかです。

宮司キャスター:
ーーそしてもう1つ大切なことがあります。11月29日、厚生労働省とスポーツ庁のイベント「健康寿命をのばそう!アワード」表彰式に出席した柔道女子パリオリンピック日本代表の阿部詩選手、教えてください。

柔道女子52キロ級パリ五輪代表・阿部詩選手:
一番、大事なのは睡眠だと感じています。寝ないと体力は回復しないし、次の日に向けた活力が出てこないと思います。

宮司キャスター:
健康のためには十分な睡眠時間が欠かせません。厚労省によれば、十分な睡眠時間は60歳未満が6時間から9時間、60歳以上だと6時間から8時間だといいます。最後に、健康寿命を延ばすためのポイントをあらためて村松さんに教えてもらいました。

ニッセイ基礎研究所主任研究員・村松容子さん:
若いころから自分の健康状態を常に把握する習慣をつけてほしいです。ちょっとした(体の)異変に気づけることが重要だと思います。

宮司キャスター:
これから高齢期に入る人は、今のうちから体を動かす習慣を持つことが大事です。みんなで健康寿命を延ばしましょう。
(「イット!」12月24日放送より)

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