「死ぬかと、殺されるかと思ったね。目出し帽をかぶって、2人でした。懐中電灯で、なんかこう照らして…」
またしても首都圏で強盗事件が起きた。11月30日未明、東京・練馬区の住宅に男2人が侵入し、住人男性の首を絞め、顔を殴り逃走。男性は現金が無くなったと話している。
夜に“下見”…スマホを見る様子も
東京・練馬区の閑静な住宅街で発生した強盗事件。付近の防犯カメラは、事件前後の容疑者とみられる2人組を捉えていた。
この記事の画像(11枚)11月29日午後8時41分。距離をとり歩く2人の男がカメラの前を横切った。下見をしているのだろうか。
その約1時間後の午後9時35分頃、再び現れた2人。2人でスマホをのぞき込んでいるように見える。
そして、その約5時間後。被害に遭った住人から「5分ぐらい前に強盗です。すぐ来てください。犯人は逃走しています」と警察に通報があった。
被害に遭った1人暮らしの60代男性は、この日はたまたま玄関の鍵をかけ忘れてしまったという。
被害に遭った住人(60代):
2階のベッドで寝ていました。目出し帽をかぶっていて、黒いジャージみたいな黒装束で。2人でした。完全に眠っている時にやられたんで凶器は使っていなかった。その後、首を絞められたんで動けなくなった。それが相当きつかった。
(現金を)少し持ってたんですね、生活するために。今現在年金しかないんで、細い年金だから大変な状態ですね。お金持っていって帰っちゃったわけね。その後すぐ警察に電話したんですけどね。
「スマホに犯行に関する情報があったのは間違いない」
男性が警察に通報した直後、カメラは、2人の男が小走りで逃走する様子を捉えていた。
白い服の男は、背中に大きなリュック、手にはバッグを持っており、2人ともライトのようなものを所持しているように見える。
警察は、強盗致傷事件として逃走した2人の男の行方を追っているが、一連の連続強盗事件との関連はあるのか。元埼玉県警捜査一課の佐々木成三氏は、「これまでの闇バイト、広域強盗事件の容疑者たちの行動とよく似ている」と指摘する。
防犯カメラの映像を見てもらうと…。
元埼玉県警捜査一課 佐々木成三氏:
下見行為というのは本来であれば、夜間ではなく昼間にやるべきこと。この時間にやるということは素人の手口。もし警察官が近くにいたら職務質問対象となる。こういった警察に見つからないように何か工夫しているような感じはしない。
また、2人でスマホをのぞき込むような行動については…。
佐々木氏:
何かしらスマートフォンに今回の犯行に関する情報があったのは間違いないと思いますね。
2人が元々の知り合いで長期間にわたって計画をしているのであれば、情報の共有というのは現場でやる必要はない。(2人は)関係性が希薄。その日に集まったメンバー。場所も指示されただけなので、(スマホの)地図などで情報を知って、その日にその時間に下見をする行為ですね。
犯行手口やその様子から、一連の闇バイトと関連している可能性が高いという。
2カ月前には特殊詐欺の被害も
一方、なぜ今回、60代の男性が狙われたのか。
実はこの約2カ月前、男性は特殊詐欺の被害に遭っていた。
被害に遭った住人(60代):
(2024年)10月7日に男が来て、警察からお金を調べるからって言って(お金を)渡してくれって言われて、この男が(現金を)持っていきました。それで結局、詐欺だったわけですよ。かなり大きい金額です。
――その男を家に上げた?
被害に遭った住人(60代):
(家の中に)上げました。大阪府警っていうのを信じちゃった。
被害男性によると、2024年10月、自宅を訪れた警察関係者と名乗る男に多額の現金をだまし取られる特殊詐欺の被害にも遭っていたという。
被害に遭った住人(60代):
10月31日にね(警察関係者を名乗る)この男が来て、「植木を切りましょう」とか言って植木を切ってくれたんですよ。その後少ししてから(別の日に)高橋(と名乗る男)とあと2人上司と言って(自宅に)4人で来ました。
警察関係者を名乗る男らは、その後も仲間を連れて男性の家を複数回訪れたという。今回の事件前の特殊詐欺被害と不審な男らの訪問。関連性はあるのか。
佐々木氏:
特殊詐欺の被害者というのはリストになっていて、特に高額に騙された高齢者においては、やはり家にお金があるというような情報が組織内をぐるぐる回っている。振り込む場所をショートカットして、お金があるって分かったら強盗するというような手口。僕はこの強盗事件、この闇バイトに関わる強盗事件というのは特殊詐欺の進化形だと思っているんです。
(「Mr.サンデー」12月1日放送より)