相次ぐ“闇バイト”による強盗事件で、一連の事件捜査を指揮する警察庁の捜査一課の幹部が初めてカメラ取材に応じ、捜査の現状や具体的な防犯対策について言及した。そんな中、自民党は21日、闇バイト対策などを議論する「治安・テロ・サイバー犯罪対策調査会」の初会合を行った。

実行役やリクルーター44人逮捕…「対策調査会」新設

首都圏で“闇バイト”による強盗事件が相次いでいる。多くの逮捕者が出る中、自民党では闇バイト対策などを議論する「治安・テロ・サイバー犯罪対策調査会」が新設され、21日午後に初会合が行われた。

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国をあげて実態解明に乗り出す中、捜査はどこまで進んでいるのかーー。
「イット!」は、捜査を統括する警察庁に初のカメラインタビューを敢行した。

青井キャスター:
2024年8月27日にさいたま市で“闇バイト”による強盗事件が起きて以来、首都圏で強盗事件が相次いでいます。これまで実行役やリクルーターなど、44人が逮捕されています。皆さん被害に遭う不安の他に、どんなことを感じているんでしょうか。

(闇バイトとみられる強盗事件の発生状況)
8/27〜28、8/31、9/18 さいたま市
8/29、9/26、10/9 千葉・船橋市
8/29 千葉・八千代市
8/31 神奈川・厚木市
9/3 神奈川・鎌倉市
9/28 東京・練馬区
9/30 東京・国分寺市
10/1 埼玉・所沢市
10/15 横浜市
10/16 千葉・白井市
10/17 千葉・市川市
10/30 東京・三鷹市
11/2 東京・葛飾区
11/3 千葉・四街道市
11/20 東京・品川区

80代:
警察もやってるんだけど、これだけ起きるというのは問題ですね。
警察に頑張ってほしいと思います。

60代:
警察はもうちょっと本気になって、上まで突き止めるようなことをしないとだめですよね。

60代:
頑張って捜査してくれてると思うので、早く捕まってほしいです。

青井キャスター:
では、実際に捜査の最前線はどうなっているのか。警察庁で幹部の方を直撃取材しました。多くの被害者が出ている一連の会議にみなさん真剣な表情です。会議の中心にいたのは警察庁刑事局捜査第一課の正木伊純理事官です。一連の事件の捜査を指揮する警察庁の捜査一課の幹部が、テレビカメラの前で取材に応じるのは初めてです。

青井キャスター:
実行犯が、相当数今逮捕されているわけですが、逮捕の決め手はどういうところになるんですか?

警察庁刑事局捜査第一課・正木伊純理事官:
警察においては、強盗事件が発生すると迅速に必要最大限の捜査員を投入しています。その上で初動捜査を徹底し、幅広い証拠を収集し、実行犯の早期検挙に努めています。

青井キャスター:
被害にあった現場に共通点などはあるのでしょうか。

被害のあった国分寺市の一戸建て住宅
被害のあった国分寺市の一戸建て住宅

警察庁刑事局捜査第一課・正木伊純理事官:
今回の事件に関して、実際に被害に遭った住宅は一戸建て住宅というのが一つ挙げられます。しかし、集合住宅、例えば、マンションなどの集合住宅であるからといって、安全であるというのは必ずしも言えないと思います。

青井キャスター:
正木理事官は、マンションに住んでいても犯行グループに狙われる可能性があると言います。実は20日も、東京・品川区のマンションにあるメンズエステ店に押し入り、現金を奪おうとした疑いで17歳の少年が逮捕されたばかりです。マンションでも防げない中、私たちにできる防犯対策には何があるのでしょうか。

千葉・白井市の事件現場
千葉・白井市の事件現場

警察庁刑事局捜査第一課・正木伊純理事官:
就寝時だけでなく在宅時も自宅の戸締りを徹底していただくこと。窓からの侵入を防ぐという意味でも、防犯ガラスといった防犯性能の高い部品で窓ガラスを強化して、場合によってはシャッターを活用するなど、そういった対策も一つ有効と思っております。

青井キャスター:
闇バイト関連の強盗事件は、8月から10月に掛けて多発していましたが、11月3日から20日までの2週間以上、落ち着きを見せています。しかし年末にかけて増加する可能性もあるということで、防犯対策の強化を呼び掛けています。

「必ず捕まえます」警察が強い言葉で訴える

SPキャスターパックン:
防犯カメラや戸締りはしっかりしているつもりなんですが、普段から近所の皆さんとコミュニケーションを取るのも大事かなと思っています。情報交換もありますし、お互いに関心を持つことが事実上の見張り役を果たしてくれるかなと期待しています。

「治安・テロ・サイバー犯罪対策調査会」の初会合
「治安・テロ・サイバー犯罪対策調査会」の初会合

青井キャスター:
警察だけではなく、与党も対策に乗り出しています。21日午後2時ごろ、自民党は闇バイト対策などを議論する「治安・テロ・サイバー犯罪対策調査会」の初会合を開きました。高市早苗前経済安保相が調査会長に就任し、SNSを通じた闇バイト強盗やサイバー犯罪の対策を政府に提言するとしています。

高市早苗調査会長:
闇バイトによる強盗殺傷事件、および詐欺事件についてちょっとでも被害を減らしていける、その道筋をつけていきたい。

青井キャスター:
最後に正木理事官は、闇バイトに関与している人に、こう強く訴えました。

警察庁刑事局捜査第一課・正木伊純理事官:
いわゆる高額案件やホワイト案件への応募は、アルバイトへの応募ではありません。これはもう犯罪への応募で、まさに人生破滅への応募だと思っていただきたいと思います。犯罪をして逃げる者は、警察が必ず捕まえます。本当に一度きりの人生なので、それぞれの人生大切にしていただきたい。

青井キャスター:
正木理事官はじめ警察官の皆さん、犯行グループの根絶に向けた捜査を期待しています。
(「イット!」11月21日放送より)

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