宮崎を代表する観光地・青島に、日本を代表する食文化「寿司」の技術を学べる学校がある。この「寿司学校」に、初の外国人受講生が入学した。約2カ月の修行を通し、日本文化の習得を目指して奮闘する女性を取材した。

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人気の観光地でもある宮崎市青島で、日本の伝統食・寿司作りの技術を広めようと、2023年7月にオープンしたのが『OSUNOSUSHI』だ。宮崎県高鍋町出身で、海外旅行中に世界の寿司人気の高さを知り、外国人向けの寿司学校を作ろうと考えていた黒木了一さんと、大阪府出身で、米ロサンゼルスにあるミシュラン一つ星の寿司店で座長を務めていた植田一臣さんが宮崎市青島で出会い、開校した。

初の外国人受講生はギリシャ出身の女性

そんな「OSUNOSUSHI」の、泊まり込みで寿司技術を学ぶ「2ヶ月コース」に、初の外国人受講生がやってきた。エイリニエブドシアさん。ギリシャ出身の25歳の女性だ。なぜ、日本の寿司を学びにはるばるやってきたのだろうか。

ギリシャ出身 エイリニエブドシアさん: 
元々和食などの日本文化に興味があったが、ギリシャにそういった学校がなかったのでこちらに来た。文化を学ぶ上で、食の理解が一番必要だと思って勉強しに来た。

まずは基本から。職人の命ともいえる包丁の扱い方を学ぶ。

インストラクター 植田一臣さん:
包丁は、職人にとってすごく大事。特に、和包丁はほかの包丁と違うため、道具の大切さや手入れの仕方を学んでもらう。

続いて「桂剥き」に挑戦してみると…。さすがに難しいようだ。

それでもエイリニさんは、積極的に挑戦し、日々、寿司づくりに向けた技術を習得していく。それだけにとどまらず、せっかくの青島滞在を思う存分満喫しようと意気込んでいた。

ギリシャ出身 エイリニエブドシアさん:
宮崎は人も優しいし、文化も豊かで土地も美しい。とても気に入っています。サーフィン、魚釣り、寿司の勉強など、2カ月でやれることは全部やりたいと思っている。

日本に来て、約1カ月。この日は地元の味噌醤油メーカーの方に教えてもらいながら、味噌作り体験に挑戦した。

寿司づくりの技術を学びながら、日本の文化にもたくさん触れてきたエイリニさん。

地元の人たちに勉強の成果を披露!

2カ月に及ぶ講座も終わりに近づいてきた頃、エイリニさんはこれまでの成果を披露する発表会を開いた。エイリニさんが考えたギリシャ料理の要素を盛り込んだオリジナルの寿司を振る舞った。

校長 黒木了一さん:
寿司職人らしくなっていて感動しました。

ギリシャ出身 エイリニエブドシアさん:
すごく良かったと思う。成功したと思う。地震や台風も初めて体験して不安もあったけど、また日本へ帰ってきたいと思っています。

多くの人たちと出会い、かけがえのない思い出とともに習得した日本の伝統文化、寿司。この日本文化がこれからも青島から世界へ羽ばたいていくことを願っている。

インバウンド向けの体験プログラムも

寿司学校「OSUNOSUSHI」では、エイリニさんのように住み込みで寿司技術を学ぶ「2カ月コース」以外に、宮崎に旅行で訪れた外国人観光客向けの「1日体験会」も開催している。

2024年5月から始まった、寿司作りを体験できるワークショップ。

この日は、カナダやデンマークから訪れた観光客など4人が参加していた。

参加者たちは、初めての体験に目を輝かせながら、レタス巻きやかっぱ巻きなど5種類の巻寿司を作った。

デンマーク人の参加者:
最高。好きなお寿司を作るのは楽しくて、参加できてよかった。

カナダ人の参加者:
おいしいね、うめぇ~。友達にもお寿司を作りたい。

校長 黒木了一さん:
寿司だけではなくて、日本の文化の事も勉強したいという人が多いので、そういうのも合わせて、「青島で学べる」ということを伝えていきたいと思っている。

コロナ禍を経てインバウンド需要が回復するなか、日本の食文化を学べる「寿司学校」は、宮崎の新たな観光資源になりそうだ。

(テレビ宮崎)

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