ワールドシリーズを制覇したロサンゼルス・ドジャースが日本時間2日、実に36年ぶりとなるパレードを行う。ロサンゼルスでは優勝決定直後から熱狂した一部のファンが大騒ぎし、少なくとも12人が逮捕される事態となったが、一夜明け、市内の至る所でドジャースファンによる清掃作業が行われていた。
一方、敗れたニューヨーク・ヤンキースのアーロン・ジャッジ選手のSNSには、試合後、心ない書き込みがあふれ、コメント欄が閉鎖された。

熱狂した一部ファン大騒ぎ…少なくとも12人逮捕

劇的な逆転勝利で、4年ぶり8度目のワールドチャンピオンに輝いたロサンゼルス・ドジャース。

優勝直後からLAの街で一部ファンが大騒ぎ
優勝直後からLAの街で一部ファンが大騒ぎ
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公式SNSには、ロス行きの機内でトロフィーを手に喜びを分かち合うチームの様子がアップされ、大谷翔平選手や山本由伸投手も笑顔を見せていた。

ロサンゼルスでは優勝決定直後から熱狂した一部のファンが大騒ぎ。
店の商品を略奪したなどとして、少なくとも12人が逮捕される事態となった。

熱狂から一夜明け多くのファンが清掃活動
熱狂から一夜明け多くのファンが清掃活動

歓喜と熱狂の夜が明けた31日。
市内の至る所で行われていたのが、ドジャースファンによる清掃作業だ。

清掃活動を行う理由を語るドジャースファン
清掃活動を行う理由を語るドジャースファン

ドジャースファンは「ロサンゼルスにはポジティブな要素がたくさんあることを理解してもらうため掃除をしています」と話す。

グッズショップで記念グッズを買い求めるファン
グッズショップで記念グッズを買い求めるファン

また、グッズショップでは「WORLDSERIES CHAMPION」と書かれた記念グッズを、多くのファンが買い求めていた。

ファンは「ワールドチャンピオンシップのTシャツを2枚買った、長袖と半袖をね。ドジャースの試合がたくさんあるから、暑い日と寒い夜に必要。それを手に入れることができて、とてもうれしい」と話す。

別のファンは大谷選手に「ロサンゼルスで君と過ごす次の9年間が待ちきれない。Let's go SHOHEI!」とメッセージを送った。

36年ぶりパレードへ準備着々

ロサンゼルス市内で行われる優勝パレードのスタート地点の、ロサンゼルス市役所前の道路は封鎖され、準備が行われていた。

優勝パレードのスタート地点・ロサンゼルス市役所前の道路は封鎖
優勝パレードのスタート地点・ロサンゼルス市役所前の道路は封鎖

4年前にもワールドシリーズを制しているドジャースだが、この年は新型コロナウイルスの流行によりパレードは行われなかった。

その前の優勝はというと、36年前の1988年。
当時のパレードでは、選手らが飾り付けられた複数の車に乗って、ファンの前を移動した。

ロサンゼルス市庁舎前から中央図書館近くまでの約1.6kmを45分ほどかけて移動するとみられる
ロサンゼルス市庁舎前から中央図書館近くまでの約1.6kmを45分ほどかけて移動するとみられる

36年ぶりとなる今回のパレードでは、2階建てバスを使用。
ロサンゼルス市庁舎前から中央図書館近くまでの約1.6kmを45分ほどかけて移動するとみられる。

現地に住むドジャースファンの子供は、パレードへの期待に胸を膨らませていた。

ドジャースファンの子供たち
ドジャースファンの子供たち

ドジャースファンの子供:
(Q.パレードに行きたい?)Yeah!すごくいいと思うよ。選手を生で見ることができるんだ!目の前でショウヘイやフレディー(フリーマン)、ムーキー(ベッツ)なんかに会えるんだ!すごいよね。

しかし、学校があるため見ることはできないという。

現地に住むドジャースファンの日本人女性
現地に住むドジャースファンの日本人女性

現地に住む別の日本人女性は、パレード後にドジャー・スタジアムで行われる祝賀イベントをチョイスした。

ドジャースファンの日本人女性:
祝賀イベントのチケットも即完売みたいで、スタジアムに行く大勢のファンと一緒にパレード(の様子)をスクリーンで見ようと思っています。もう今から興奮して眠れない!大谷選手をはじめ、他の選手もうれしそうにパレードに出て(ファンの)みんなに笑顔で手を振ってくれるんだろうと思うと待ち遠しい。早く見たい。

一方ジャッジのSNSには心ない書き込みあふれ…

ロサンゼルスが街を挙げてドジャースの偉業をたたえる一方、本拠地での優勝を逃し、意気消沈しているのがニューヨーク・ヤンキースだ。

日本時間31日の第5戦では、チームの主砲ジャッジ選手のホームランなどで序盤に5点を奪い勢いに乗ったが、5回表にそのジャッジ選手のエラーなどで失点を重ね、まさかの逆転負けを喫した。

ヤンキースは、松井秀喜さんがシリーズMVPに輝いた2009年以来15年ぶりの優勝を逃した。

ジャッジ選手は試合後の取材で悔しさをにじませていた。

アーロン・ジャッジ選手:
まずはドジャースへおめでとう。(ドジャースのような)強い相手に余計なミスをしてはいけない。僕のミスから始まった。ああいうミスがなければ違うストーリーが描けていたはずだ。(Q.自身初のワールドシリーズだったが?)いろんなことが頭に浮かぶが…優勝を逃したことは死ぬまでつきまとうよ…。

ジャッジ選手はがっくりと肩を落としたが、そんな彼に向けられたのはヤンキースファンの不満だった。

ジャッジ選手のSNSには、試合後、心ない書き込みがあふれたため、コメント欄が閉鎖される事態となった。

ジャッジ選手はインタビューをこう締めくくっていた。

アーロン・ジャッジ選手:
引退する時はたくさんの傷を負っていると思うが、たくさんの勝利を経験することも願うよ。
(「イット!」11月1日放送より)