福島県白河市の夜空に、不思議な赤い光が出現し、住民たちを驚かせている。UFOの出現か、それとも珍しいオーロラ現象なのか。この謎めいた現象の真相は、誰もが予想だにしなかったものだった。
住民を困惑…赤い夜空
2023年9月26日、福島県白河市の熊田果樹園の方が、夜空が赤く染まる不思議な現象を目撃した。さらに、10月3日午前1時にも別の住民が同様の光景を目にしている。この奇妙な光景に、地域住民は戸惑いを隠せなかった。

「UFOの前触れでは?」「珍しいオーロラかもしれない」「火事が起きたのでは?」など、様々な憶測が飛び交った。しかし、これらの事象はその時間に起きていなかった。興味深いことに、一部の住民からは「発光源は巨大農業ハウスでは?」という的確な推測もあがっていた。
光の源はトマト農園
驚くべきことに、この赤い光の正体は、白河市にある巨大農園ハウス「みちのく白河農園」から発せられるLEDライトだった。熊田果樹園の方は、南の方角が赤く染まっていたと証言しており、まさにその方角に「みちのく白河農園」が位置していた。この農園は2024年春から本格的な栽培を開始し、1年を通してトマトを生産する予定だ。

なぜ9月になって突然?
2024年春から栽培を始める予定にもかかわらず、なぜ2023年9月になって突然この現象が現れたのか。その理由は季節の変化にあった。秋から冬にかけて日照時間が短くなるため、農園では夜11時頃から翌朝の日の出頃までLEDライトを点灯させている。これにより、夏場には見られなかった赤い夜空が出現したのだ。

トマトを育てる赤いLEDライト
なぜトマト農園が赤い光を放っているのか。その答えは、最新のトマト栽培技術にあった。農園では、トマトの光合成を促進するため、赤い波長のLEDライトを使用している。この赤いLEDライトが低い雲に反射し、夜空を赤く染め上げていたのだ。

この現象は、最新の農業技術が思わぬ形で夜空の景観に影響を与えた興味深い事例といえる。福島県白河市の夜空を彩るこの赤い光は、近代農業と自然が織りなす新たな風景として、人々の記憶に残るだろう。
(福島テレビ)