北海道旭川市で9月22日、「世界一静かなスポーツ」と呼ばれる競技の大会が開かれた。静かで、熱い戦いの舞台裏を紹介する。

「仲間との友情と絆を持ち、真剣かつ楽しく競技に取り組むことを誓う」(篠原ひなのさん)
9月22日、選手宣誓で幕を開けたのは、旭川市で行われた「第一回金魚すくい甲子園」だ。

金魚すくいは夏祭りの定番だが、忍耐力や動体視力が必要となるため「世界一静かなスポーツ」とも呼ばれている。
世界一静かなスポーツ「金魚すくい甲子園」

今回の大会を企画したのは、金魚すくいで旭川の活性化を図ろうと「金魚の館」を5年ほど運営してきた篠原伸人さんだ。
「競技人口のすそ野を広げるのが第一目的なので、気軽に参加していただきたい」(金魚の館 篠原伸人さん)
金魚の尻尾を外す「尾びれ外し」
大会には旭川在住の実力者も登場する。篠原ひなのさん。伸人さんの長女だ。金魚すくい初心者の記者と対戦してもらった。

記者の獲得数はゼロ。それに対してひなのさんは約30匹。
「(Q:記者を見ていてどうだった?)ダメ」

ひなのさんの得意技は、ポイから金魚の尻尾を外す「尾びれ外し」。その活躍に期待がかかる。
初優勝は…?

大会は小学生から高校生までが、同じ学校の3人1組で参加。10チームが3分間で金魚をすくい上げた数を競う。

ひなのさんのチームは予選を勝ち抜いたものの、惜しくも3位。
鷹栖町の鷹栖小学校が初優勝を決めた。
「とってもうれしい。けっこう調子良かった。いい感じだった」(初優勝 鷹栖小のメンバー)
命の大切さも学ぶ

金魚すくいの全国大会を毎年開催してきた奈良県大和郡山市も、旭川での大会の成功をよろこぶ。

「(今後も)コツコツと積み重ねていただいたらいいと思う。応援している」(奈良県大和郡山市 上田清市長)
篠原さんたちは、2025年以降も大会を続けていきたいとしている。

「(金魚すくいは)動物と触れ合う競技なので、命の大切さを競技の練習を通して(子どもたちが)学んでくれるし、人に温かくなれる子に育ってほしい」(大会を企画した篠原伸人さん)