自民党総裁選と立憲民主党代表選で連日、論戦が繰り広げられる中、多く語られていないのが「拉致問題」だ。拉致被害者の家族会が会見を開き、切実な思いを訴えた。候補者は、拉致被害者の帰国、拉致問題の解決に向けてどれほどの思いを持っているのだろうか…
総裁選候補者へ“拉致問題解決への覚悟”を
「誰も言葉に出さない。拉致ということをね。それがもう絶望的な感じがする」
こう失望感を露わにしていたのは、拉致被害者・横田めぐみさんの母・早紀江さん(88)だ。

自民党総裁選の告示を前日に控えた9月11日に、拉致被害者家族会が会見を開き、候補者に拉致問題解決への覚悟を示すよう求めた。
拉致被害者家族会の横田拓也代表は「46年も人質として、拘束されている命のかかった問題にも関わらず、関心を示さないことは看過できない」と語気を強めた。

9月に入り、「娘と会える自信がなくなりつつある」と話したという早紀江さん。
「絶叫するような思いで叫び続けてきたに違いない。たくさんの被害者たちのことを頭の中に思い描いていただけませんでしょうか。本当にこんな日本でいいのでしょうか」と声を振り絞った。
決意表明で拉致問題に触れたのは2人だけ
そして迎えた告示日の決意表明。
9人の候補者は10分の持ち時間の中で、裏金問題に揺れた党の改革や少子化や物価高対策などについて自身の決意を語っていく。

小林鷹之 氏:
拉致問題については、一日も早い拉致被害者全員の帰国実現のため、あらゆる手段をつくす
加藤勝信 氏:
全ての拉致被害者の即時帰国を目指す
現役の拉致問題担当大臣や、北朝鮮との交渉などにあたってきた外務大臣の経験者、そして拉致被害者5人の帰国を実現した元首相を父に持つ候補がいたものの、拉致問題に言及したのは2人だけだった。
次の首相には、拉致被害者家族の切実な訴えを真剣に受け止め、問題の解決に向けた具体的な行動を起こすことが求められている。
(NST新潟総合テレビ)