審判の両脇に掴まって進み、互いに組み合ってから始まるパラリンピックの柔道。この競技で、インドから初めてのメダリストが誕生した。
インドで「柔道の心」を教える
パリパラリンピック、柔道男子60キロ級(全盲)で銅メダルを獲得したのは、カピル・パルマル選手(24)。彼らをパリ大会まで導いたのはある1人の日本人だった。
この記事の画像(9枚)パラリンピック柔道女子48キロ級(弱視)インド代表 コキラ・コキラ選手(20):
私が勝ち始めたのは、長尾さんが来て教えてくれたからです。
パラリンピック柔道男子60キロ級(全盲)インド代表 カピル・パルマル選手(24):
長尾さんは教え方が上手で情熱的な人です。
彼らの言う「長尾さん」とは、青年海外協力隊として現地に派遣され、まともな指導者もいなかったインドで日本の柔道を教えた、長尾宗馬(ながお・そうま)さん(27)のことだ。
だが、その道のりは険しいものだった。
長尾宗馬さん:
やっぱり練習に遅刻してくる。時間通りに来ない。練習に遅刻してきたら、もう練習に参加させないとか、それぐらい柔道に真摯に取り組まないといけないっていうところに何回も怒った記憶があります。
技術だけでは変わらない。 長尾さんは「柔道の心」から教えると腹を括ると彼らの姿勢は、見る見る変わり始めたという。
長尾宗馬さん:
視覚障害があるから、聴覚障害があるからあきらめるっていうわけではなくて、人間に限界っていうものはないのかなってすごい感じます。
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